「お見合いで電撃結婚」というタイトルの投稿が、ネットユーザーの間で話題になっている。投稿した女性によると、お見合いが上手くいけば、年末に里帰りした時に電撃結婚し、先方には自家用車もプレゼントするという。このような超スピード結婚を企てる目的はただ一つ、「午(うま)年生まれの赤ちゃんを産む」ことだ。新華社が伝えた。
年末の結婚ラッシュがピークになっている。「未(ひつじ)年生まれの子どもは苦労する」と言われているため、午年のうちに産んでおこうという訳だ。専門家は、「生まれ年を選んで子供を持つというやり方については、慎重な態度で臨んだ方が良い」とコメントしている。
年末のブライダル市場は、結婚祝いを購入する人々で賑わっている。ブライダル会社・寧波尚麗名品婚慶の張海波・董事長は、「今年後半、商売はまあまあ良い状態で続いてきた。最近は忙しさが加速している。旧暦2013年最後の『結婚に縁起が良い日』は1月11日で、すでに10件以上の注文があった。特に、ここ半月の新規注文が激増している」と述べた。
結婚祝いという結婚に直接関係のある市場が異常なほど活気づいている以外に、婚活・出産育児ヘルパーなどの周辺市場も賑わっている。婚活サイト「中国紅娘網」の羅仙林・総経理は、「今年お見合いした人の総数は、前年に比べ3割以上増加している。お見合いした人の多くは、年内にゴールインしたいと密かに想っている」と述べた。また、杭州にある出産・育児ヘルパー派遣会社の担当者も、「来年の出産ラッシュに対応するため、現在、採用ヘルパーの数を増やし、研修を進めている」と話した。
どうして誰もがこぞって年内のゴールインを目指すのだろうか?昔から、庶民の間では、「十羊九弱」という言い伝えがあり、未年生まれの子供は元来虚弱だと言われてきた。そのため、多くの若夫婦は、未年の出産を避け、前年の午年の間に子供を産む計画を立てる。また、年末が迫り、親子を題材としたバラエティ番組がテレビで大人気となった上、恋愛・結婚をテーマとしたテレビドラマも影響し、多くの若者が、「早く結婚して子供を持ちたい」という衝動に駆られた。
生まれてくる赤ちゃんの干支についてこだわる夫婦は多い。杭州のホワイトカラー・杜麗さんは、「私の母は、これまでずっと、私が子供を産むことに全く無関心だったくせに、最近急に、『未年が回って来る前に子供を産みなさい』と煩くなり、あわてて彼と結婚した。母親の発言は、やや迷信がかっているが、親の言うことには従っておいた方が良いと思った」と話した。
生まれ年には、寅年・辰年・午年のような「大年」と、酉年や未年のような、比較的避けられる「小年」がある。ある病院では、「大年」と「小年」では、その病院で誕生する新生児数に1千人以上の違いがあるという。
専門家は、このような現象について、次の通り指摘した。
「未年生まれの赤ちゃんは良くない」という言い伝えは、科学的根拠に欠ける。視点を変えて見れば、酉年や未年などいわゆる「小年」に生まれた子どもは、子どもの数自体が少ないことから、「大年」生まれの子供に比べ、受験戦争や就職戦線におけるプレッシャーが少ない。このような事実も踏まえ、子供を産むタイミングについては、理性的に考えるべきだ。生まれ年に囚われすぎる、または生まれ年を選んで子供を産むといった行動は、全くもってナンセンスだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月30日