深刻な大気汚染 エネルギー構造の改善が解決の鍵に (3)
天然ガス・原発の開発強化もまた、実行性の高い選択肢だ。データによると、中国のシェールガス資源は種類が多く、分布が比較的集中しており、採掘可能な埋蔵量が25兆立方メートル(青海省・チベット自治区を除く)に達する。これは中国の陸上の天然ガスと同等の量であり、米国の24兆立方メートルに近い規模だ。中国のシェールガスの埋蔵量は、米国を大きく上回るとする分析もある。そのため中国はシェールガス採掘・開発技術の改善を急ぎ、開発コストを引き下げ、開発による汚染問題を解決する必要がある。同時に民間資本の、シェールガス調査・開発への参入を促すべきだ。
原発の開発利用もまた、安全性を確保した上で安定的に推進するべきだ。現在の原発技術は安全性が保証されていると言え、福島原発事故により中国の原発開発・利用のペースが乱されるべきではない。フランスなどの国では原発の発電量が全体の70%以上に達しており、中国の原発開発は遅れが目立つ。原子力エネルギーは、比較的クリーンで低コストなエネルギーであり、中国はその開発利用を安定的に推進するべきだ。
中国の石油対外依存度が57%に達し、60%に近づくにつれ、エネルギー確保の問題が日増しに重要になっている。非伝統的エネルギーの利用拡大は、エネルギー安全保障の需要であり、省エネ・排出削減実現に向けた効果的な手段である。石炭を中心とするエネルギー構造は、矛盾と問題が日々深刻化している。新エネルギー技術の成熟化に伴い、短期間内に石炭を中心とするエネルギー構造の変更が可能となった。
広範囲の濃霧により引き起こされた数日間の深刻な汚染は、国民に対して環境保護の警鐘を鳴らした。濃霧が去った今、行動を始める時が来た。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年1月18日