「アベノミクス」は本当に日本経済立て直しの妙薬か? (3)
「週刊!深読み『ニッポン』」第45回 また、アベノミクスの第3の矢、つまりいわゆる構造改革の矢は、今にいたるもなお姿が見えず、遅々として明らかにされていない。原因は簡単だ。日本社会の構造的問題は自民党長期政権時代に形成された根深いものだからだ。「産官政」の構造的腐敗体制は自民党が2年間野に下ったからといっていくらも様相が改まることはなかった。民衆が民主党を捨てて自民党の政権復帰を選択したのは、自民党に強く期待したからではなく、民主党に失望したからという理由の方が大きい。長年のねじれ国会による政権の動揺は、日本の保守勢力に急速な発展の温床を提供した。一般の民衆は各種「豪傑」が実はそうでないのに善人面して舞台に登場する政治の茶番に興味を失い、投票率は年々低下している。そして民衆の政治への無関心が、保守勢力に発言力を与えている。発足から現在まで口数だけ多く、実行を伴わないのに安倍政権の人気が長い間衰えないこと、誰もその権威に挑戦しようとしないことが、いずれもメディアの大げさな宣伝の結果であることは間違いない。
冒頭で述べたように、今では街の小商人ですら「アベノミクス」に大きな期待を寄せている。だがこうした期待は実際の感覚ではなく、単なる幻覚によるものに過ぎないと言った方がいい。結局のところ、株式市場と外国為替市場の変動は、一般の消費者にしてみれば直接の関係はない。財布の紐を緩める雰囲気を引き立たせるのがせいぜいだ。実際、第1四半期の経済成長によって一般の民衆の財布がふくらんではいない。市場の表面的な活気は、来年4月の消費税増税を避ける駆け込み消費による部分の方が大きい。こうした虚と実が入り交じった繁栄の鏡像を前に、ポケットの中身を全部出した後の「アベノミクス」が一体どれほど持ちこたえられるのか、実に疑問だ。(編集NA)
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「人民網日本語版」2013年7月11日