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「アベノミクス」は本当に日本経済立て直しの妙薬か? (2)

「週刊!深読み『ニッポン』」第45回

 上の図が示すように4月から6月までの市場の変動は明らかだ。この1カ月半近くの間に日経平均株価は1万2634円から1万5627円へと上昇し、為替レートは1ドル95円56銭から103円16銭へと推移した。だがこれらは5月23日に夢幻と消えたようだ。同日の為替レートは1ドル107円70銭、日経平均株価は1万4483円だった。株価は過去16年間で最大となる1143円下落し、6月末まで1万2000円から1万3000円の間を上下した。為替レートも1ドル100円に戻ることはなかった。

 昨年12月26日に発足した安倍内閣は、出馬時から日本経済立て直しの旗を掲げていた。アベノミクスの核心は、いわゆる「3本の矢」だ。このため、金融緩和政策の実施に消極的に抵抗していた白川方明前日銀総裁は、安倍首相の就任後の強烈な干渉の下、任期満了まで20日を残して辞任を余儀なくされた。後任の黒田東彦総裁は就任当初から安倍内閣の経済政策を全力で支持する意向を表明。安倍内閣の打ち出した物価上昇2%という目標を達成するため、日銀は4月初めから通貨発行量を大幅に増加し、極めて短期間で急速な円安をもたらし、日本の輸出業を短期間で明らかに好転させた。だが世界経済が一体化している今日、こうした独りよがりなやり方が、他の国々から認められるのは困難だ。最近開催されたG8で、ドイツのメルケル首相はアベノミクスに遠慮なく疑問を呈した。しかも現在の対ドルレートの市場効果から見ると、金融緩和政策は実は想像するほどの効果を上げていない。

 日本の財政赤字は西側各国の中で最大だ。日銀が第2の矢、つまりいわゆる物価上昇2%の目標を達成するために、一体どれだけ市中の通貨流通量を増やすつもりなのか誰にも予想できないが、日本のデフレ現象は長い積み重ねを経て生じたものだ。経済学者、吉川洋の言葉を借りるなら「デフレは日本経済停滞の原因ではなく結果」なのだ。また、経済学の常識が少しでもある人なら誰しも、過度の金融緩和政策は金利の上昇と国債の下落を招くことを知っている。こうした問題を適切に処理しなければ、最終的には消費者に転嫁されることとなる。

 6月12日、安倍内閣は成長促進の追加計画を発表した。具体的には、今後10年間でGDPの平均成長率3%を達成し、1人当たり国民総所得を150万円増やし、企業の設備投資を10%増やすというものだ。こうした目標が達成可能かどうかはひとまず置いて、1人当たり国民総所得の増加について言うと、安倍政権の説明によると、法人税の軽減によって企業の利益を確保することで、個人所得の増加を促すというものだ。だが現実には、たとえ企業が政府の減税によって利益を得たとしても、その利益がすぐに従業員の財布に入るとは限らない。さらに、今後10年間で消費税は最低でも5%引き上げられる。現行の経済政策の期待するインフレがもたらす支出の増加によって、おそらく大部分の家庭は実際の生活水準が低下したと感じることになるだろう。つまり、いわゆる「企業減税、家庭増税」である。

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