中国磁石企業が日本の日立金属を提訴 市場に変化? (2)
実際のところ、13年7月11日、山西磁材連盟が発足したことを受けて、複数の磁石工場が集まって遼寧省瀋陽市で中国希土類永久磁石産業発展促進会(仮名称)の発足大会を開催した。大会での話し合いにより、ネオジム希土類永久磁石をめぐる国内特許案件チームと国際特許案件チームが発足。また大会は中北通磁を会長機関として選出した。同機関は年内にも今回の特許訴訟に関連した資料を提供するとみられる。
同会が主体的に「事を起こした」ことから、人々は一年前の「337調査」を連想した。12年8月、ITCは日立金属の要求に基づき、中国、米国、ドイツ、オーストリアなどの企業29社に対して337調査を発動した。調査の内容は、29社が米国市場に輸出する一連の製品が、日立が米国市場で販売するネオジム系焼結磁石(レアアース新材料の一種)の特許を侵害しているというもので、中国企業は正海磁材など4社が被告となり問題に巻き込まれた。13年5月、この案件は最終的に和解で幕を閉じた。正海磁材などの中国企業3社は日立金属に費用を支払い、これと引き換えに特許を授与され、米国市場への輸出ルートを手に入れた。
孫董事長によると、この案件が最終的に和解したことから、ネオジム系焼結磁石の特許は認定そのものに問題やすきがあったことがわかるという。
▽特許授与された8社には打撃?
日立金属は1983年に米国のゼネラル・エレクトリック(GE)とネオジム系の新型永久磁石技術を研究開発し、これにより希土類永久磁石は第3世代に入った。この新型永久磁石は現在最も広く応用されている永久磁石でもある。03年にはその基本成分の発明特許が期限を迎えたが、日立金属は技術特許を出願するなどの方法で、特許の有効期限を14年かそれ以上に延ばしている。