広州モーターショー:雌雄を決するドイツ車と日本車 (2)
日系車はここ数年、中国自動車市場の谷底に落ちたままの状態だ。根本的原因を探り当てない限り、打開策は見つからない。昨年の広州モーターショー開催後、ある日系車メーカーのトップ層は、某フォーラムで、「日系車の没落の原因は、島の領有権争いだけではない。それ以外のさまざまな原因を突き止め、向きあわなければならない」と指摘した。
VWをはじめとするドイツ車陣は、「直噴ターボ」方式エンジンを中国で大々的に採用し、「中国向け新モデル」や「DSG」などの問題に直面しても、その方針を変えることはなかった。節燃費力を顕著に高める「直噴ターボ」方式エンジンは、日系車が最も得意とする分野に大きな打撃を与えた。VW車がどうしてこんなに売れるのか?それは、消費者の眼が節穴ではないからだ。
ドイツ車に圧倒された日系車企業は、「市場での落ち込みは、中日関係の冷え込みと関係があることは確かだが、根本的な原因は自分たちにある」ということを早くから認識していた。深層での問題は、実のところ、中国市場に対する日系企業の反応が「鈍い」ことにあった。中国特有の目まぐるしく変わる消費ニーズに追いつく努力を怠り、どのような車が、どのような特色が中国の一般大衆に求められているのかを掘り下げようとしなかった。島の領有権問題が起こり、中国人が日系車を破壊する事件が起こる前から、日系車が冷え込む兆しは表れていた。当時、日系車はA級、B級、A0級で軒並み売り上げが落ち込み、高級車の主役の座はドイツ車に奪われていた。
現在、広州ホンダ、広州トヨタ、東風日産などの日系車企業は、大反撃を始めるための戦略転換を進めている。たとえば、広州ホンダは2013年、「クライダー」「9代目アコード」を中国市場に導入、製品ラインアップを強化した。日系車企業は、製品ラインナップを充実するほか、強みであるハイブリッド車に力を入れ、将来性を視野に入れた。しかし、日系車の本当の意味で復活は、そう簡単な話ではない。
○ドイツ車と日系車が雌雄を決する今回の広州モーターショー