女子バレーグラチャン 日本の新戦術「MB1」がベールを脱ぐ
中国メディアが見る日本 12日から名古屋で開催中のバレーボール「ワールドグランドチャンピオンズカップ2013」が開幕する前、日本の真鍋政義監督が「身長が低い日本は他の国と同じことをやっていても勝てない。今までどこもやっていない戦術に挑戦したい」と語り、注目を集めている。人民日報が報じた。
新戦法の名前は「MB1」。お披露目となった12日のロシア戦で日本は3-1で見事勝利を収めた。MBとはミドルブロッカーのことで、背の高い選手がこのポジションにつき、ブロックやクイック攻撃を主に行う。通常は、MBを2人置くのが主流だ。それに対して日本の「MB1」は、MBを1人に減らし、ウイングスパイカーを1人多い4人にするという新戦術だ。この戦術について、真鍋監督は、「身長が低いため、ほかの強豪チームと比べて日本のミドルブロッカーは得点能力が低い。バレーは相手より先に25点を取るスポーツなので、得点能力の高いウイングの選手を入れる」と説明する。
今大会の同戦術でウイングスパイカーを務める迫田さおり選手のバックアタックは、ロシア戦では確かに効果的で、相手のブロックを次々にかわした。チームメイトの木村沙織選手は、「接戦の時、迫田は流れを引き寄せる働きをしてくれる」と評価する。「MB1」の特徴である攻撃力の強化が「背が低い」というウィークポイントを補っている。最近4年間で、日本はロシアに対して3勝6敗と苦戦していたため、新戦術に日本は手ごたえを感じている。
しかし、何事もメリットはデメリットと隣り合わせだ。「MB1」は攻撃力が強化されているものの、クイックの機会が少なくなるほか、ディフェンスの際もブロック力が下がり、デメリットが明らかだ。13日の米国戦では、この弱点を突かれ、日本は1-3で敗れてしまった。米国のカーチ・キライ監督は、「今年、我々は日本と何度も対戦しているし、12日のロシア戦も見た。迫田の特徴は把握している」と自信を見せると、実際にロシア戦で17得点をたたき出した迫田をわずか3得点に封じ込めた。
2016年のリオデジャネイロ五輪に向け、各国はさまざまな練習や戦術を試している。日本の「MB1」もこれからさらなる修正が必要だ。「身長が低い日本は他の国と同じことをやっていても勝てない」と語る真鍋監督。ロンドン五輪で28年ぶりに銅メダルを獲得した日本女子バレーを率いる同監督はリオデジャネイロ五輪で表彰台のさらに高い位置に上がることに焦点を合わせている。その第一歩が「MB1」なのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年11月14日