広州モーターショー:雌雄を決するドイツ車と日本車
11回目となる中国(広州)モーターショー(国際汽車展覧会)が22日、中国輸出入商品交易会展示館で開幕した。中国経済網が伝えた。
毎年開かれる広州モーターショーは、やや新鮮味が欠けてきている感は否めない。だが、一汽VWによる「南方戦略(南方市場開拓)」が本格化し、佛山工場が操業を開始したことで、中国自動車市場マップにおける広州を中心とした南方市場の構造に著しい変化が起きた。広州は日系自動車の本営である上、日系車の未来は明確に予測できない状況にある。今年の広州モーターショーは、中国自動車市場の今後を占う場となると言えよう。
広州モーターショーは例年、北京と上海のニ大モーターショー開催の合間に開かれている。北京・上海モーターショーは隔年開催で、広州モーターショーは毎年開催されている。ニ大モーターショーの影響力には及ばないものの、華南エリア最大のモーターショーの開催地であり最大の自動車消費センターである広州は、これまでも、中国企業の配置戦略における核心地であった。このため、広汽ホンダ、東風日産、広汽トヨタの三大著名日系合弁企業はいずれも広州に本社を構えており、広州は中国における日系車の大本営となっている。
日系車は、華南エリアに大きな消費基盤を擁している。VW(大衆)やGM(通用)は、華東、華北、東北、中原に戦略拠点を構え、この戦略的配置は長く続いてきた。
ところが、2009年から、中国自動車市場の発展スピードに緩やかな減速の兆しが現れ始めた。その後の数年、このような発展スピードの減速に加え、釣魚島(日本名:尖閣諸島)領有問題による中日関係の冷え込み、VWに代表されるドイツ車(庶民車VWと高級車BMW・アウディいずれも)が中国人消費者に最も好まれる車となったこと、さらには韓国車の奮闘などの要素も加わり、日系車は再び衰退の道を歩むこととなった。
この頃、華南市場の巨大なビジネスチャンスに眼をつけたVWは「南方戦略」を打ち出し、日系車の独占状態を崩しにかかった。
○日系車はいつ復活するのか?ドイツ車の戦略は成功するのか?