EUが航空炭素税の徴収停止 中米露印などの反対で (3)
ヘゴデー委員はICAOがうち出すとみられる新たなメカニズムがEUの期待に応えるかどうかという点については、慎重ながらも楽観的な見方を示した。
ある分析によると、EUは航空産業の炭素排出の問題をめぐって国際社会から孤立することを懸念している。このためICAOがEUのメカニズムよりも不十分なメカニズムをうち出したとしても、これを否定する可能性は大きくない。EUからみれば、EUレベルの排出権取引システムよりも、世界的なメカニズムの方が排出削減によりプラスになることは間違いないからだ。
▽EUは多国間プロセスと二国間プロセスを結びつけ 中国は受け入れず
EU加盟国は、13年4月30日以降、中国とインドの航空会社が炭素税を支払わない場合、強制的な措置を取るとしている。この問題をめぐり、中国航空運輸協会は中国の航空会社と中国政府の関連部門を代表してEUとの交渉に当たり、EU ETSを認めないとの声明を発表した。同協会によると、EUがETSについて取り消し措置、調整措置、延期措置などを取らない場合、双方が合意に達することは難しいという。また同協会は、中国政府が中国に進出するEU加盟国の航空会社の定期便を対象に、EU ETSよりも強力な対抗措置をうち出すよう提起する。EUの動きを伝えるサイトが13日に報じたところによると、EUが航空会社からの炭素税徴収を一時凍結したのは、ICAOによる実行可能なプランの制定を推進したいためであり、破壊的な貿易紛争の勃発を避けたいためだという。