日本経済の中国への依存度を再考する 商務部研究員
「週刊!深読み『ニッポン』」第36回 「週刊!深読み『ニッポン』」
商務部(商務省)国際貿易経済合作研究院の金柏松研究員はこのほど次のような論考を発表し、日本経済の「中国要因」への依存度を改めて論じた。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」の中国語版サイトに、8日付で蔡成平氏の論説「日本経済は本当に中国に深く依存しているのか」が掲載された。聞くところによると、蔡氏は中国のポータルサイト「新浪網」の管理者であり、日本での駐在歴が長く、有名な雑誌のサイトに日本経済や中日経済関係に関する専門的な分析を発表できるような人物だ。
蔡氏の論考を拝読してわかることは、「日本経済の中国に対する依存度はそれほど深いものではない」ということだ。そこでまず聞きたいのは、日本が外需主導型経済であるかどうかという点について、蔡氏にどれほどの理解があるかということだ。日本の発展が輸出への依存によるものでないとすれば、米国が主導し、先進5カ国が調印した「プラザ合意」が1985年から95年にかけて円高を誘導したのはなぜだろうか。2008年以降、円が再び上昇していまなお高水準にとどまっているのはどうしてだろうか。
次に聞きたいのは、日本の経済規模に占める輸出の割合が低いと、日本経済が輸出に依存していないということになるのか、という点だ。この2つがイコールであるというのは、あまりにも単純な見方だ。日本経済が03年から08年にかけて、どうやって失われた10年間の泥沼を抜け出せたのかをお聞きしたい。日本はどうやって何年も続けて復興を遂げ、成長を維持できただろうか。中国の需要という要因が日本を救ったのではないというのだろうか。日本の消費者が自力で救済したというのだろうか。
さらに聞きたいのは、蔡氏の「2011年の日本がまとめた統計によると、日本の対中直接輸出が日本経済に占める割合は2.47%、中国からの輸入が日本経済に占める割合は2.45%で、割合はほぼ同じだ」という分析についてだ。ここからただちに「両国の相互依存度はほぼ同じ」という結論を導き出すのはあまりに一面的な見方ではないだろうか。蔡氏に、日本の中国への迂回輸出をご存知か、迂回輸出の規模がどれくらいあるかご存知かをお聞きしたい。日本でいわれる「東アジア国際分業体制」の意味をご存知かどうかをお聞きしたい。