自動車業界の「アップル」は誰か?
スティーブ・ジョブズの死去から2年になるが、「土豪金」と呼ばれるiPhone 5Sは依然中国市場でよく売れている。iPhone誕生当初、今日のような人気を想像する人は多くなかった。シンプルなデザインと優れたマンマシンインタフェースがジョブズの「アップル・ドリーム」を後押ししたことに疑いはない。ジョブズとアップルは1つの業界を徹底的に変えると同時に、新たな夢想家を次々に触発した。現在人々は誰が次の「アップル」になるのか、中国は「アップル」を創造できるのか、中国自動車業界ではどうなのかを好んで議論し、分析している。新京報が伝えた。
過去100年余りの自動車の発展は、常に走行性能の向上であったようだ。一方、「知能」の開発はおろそかにされ続けてきた。だが今や科学技術の発展、特に電子化と情報化の進歩に伴い、自動車もより「スマート」化し始めた。「デジタルマニア」と「テクノロジーマニア」の消費者に迎合して、「車載テレマティクス」が機運に乗じて生まれた。かつて「道具」に過ぎなかった携帯電話のように、現在「交通手段」と呼ばれる自動車も消費者に迎合するのか、それとも消費者を誘導するのか現時点では予測困難だ。だが自動車業界の「夢想家」達は、この道に沿って行けば、遠からず「アップル」が誕生するかもしれないと確信している。
情報化時代の車載テレマティクス技術は、新エネルギー車に続き、多国籍自動車企業と対等に競争し、さらには一歩リードする良いチャンスを中国自動車業界に与える。「情報消費を促進し、内需の伸びを牽引」との政府の産業政策が模索者に道を指し示した。2015年までに4000万に達するユーザーと1000億元を超える生産額も自動車企業にとってあらがいようのない魅力だ。上海汽車集団執行副総裁、乗用車公司総経理(社長)の陳志鑫氏は以前、新興市場は産業変革の最大の推進者、受益者となり、変革を最終的に発生させる決定的パワーにもなると指摘した。だがこの変革は暴風雨式の急激な大再編ではなく、自動車産業内部の変革と外部環境の圧力の双方を駆動力とする漸進式な変化だ。