山中さん「自然も師」 ノーベル賞で記念講演会
IPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、今年のノーベル医学生理学賞を受賞する山中伸弥・京都大教授が7日午後(日本時間同日夜)、ストックホルム市のカロリンスカ医科大で記念講演した。若いころの挫折やIPS細胞誕生までの軌跡をジョークをまじえて語り、満員の会場を何度もわかせた。
山中さんは濃い色のスーツにあずき色のネクタイ姿。ネクタイはノーベル物理学賞を1973年に受賞した江崎玲於奈さんからもらったものという。
講演では、手術が下手で整形外科医をやめ、研究者に転向した下積み時代の思い出を披露。仮説に反する実験結果が出ると喜びを感じ、それが研究を続ける糧になったという。当時の指導教官らの励ましも大きかったといい、「私も彼らのようになりたいが難しい。予想もしないことを教えてくれ、新たな課題へと導いてくれる自然そのものも師だ」などと話した。
asahi.com 2012年12月10日
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