中国経済の10大悪循環に終止符を
間もなく招集される2013年度中央経済政策会議への期待が高まっている。経済政策の最も核心的な要点は、経済を好循環の軌道に戻すことだと私は考える。(文:鈕文新。中国経済週刊掲載)
現在の中国の実体経済と金融の安全性の間に悪循環が存在することは間違いない。実体経済が困難になるほど、金融の安全性は下がる。金融の安全性が下がるほど、融資価格は上がる。融資価格が上がるほど、実体経済は困難になり、ここから多重の悪循環が派生する。
企業の資産内容と融資コストの悪循環。融資コストが高くなるほど、企業の利潤は下がり、資産内容は悪化の一途をたどる。企業資産価値が悪化するほど、金融機関の企業に対する融資コストは上がり、融資に及び腰になり、資産内容は一層悪化する。これは企業と債権資本の間の悪循環だ。
企業の資産内容と株価の動きの間の悪循環。金融引き締めは深刻な内需不足を招き、企業の資産内容の悪化が加わって株価下落を招き、中国の資本評価は下がり続け、企業が資本市場を通じて株式資本を獲得する機会が阻止される。融資件数・額が増加する一方で、株価が下落し、企業はバランス・シート改善の機会を完全に失う。このため実体経済と株式市場の悪循環が形成される。
物価予想と金融引き締めの間の悪循環。コスト要因による物価上昇は金融引き締めを招き、金融引き締めは内需不足を招き、内需不足はコスト圧力の増大を招き、企業はコストを製品に乗せる衝動を一層強め、物価上昇予想がさらに強まり、金融引き締めがさらに強まる。
人民元の上昇と商品輸出の間の悪循環。金融引き締めは人民元の上昇を招き、人民元上昇は輸出抑制を招き、利ざや目当ての外資も中国に押し寄せ、人民元の一層の上昇を招き、中国の輸出を一層悪化させる。
企業の資産内容と人件費の間の悪循環。企業は資産内容が悪化するほど、高い人件費を払えなくなる。企業の規模が限界にある中、高い人件費を払えない企業ほど、限界を維持できず、製品の質もこれに伴い下がり、企業は一層困難に直面する。