米国やカナダの大学も授業料は決して安くないが、補助金制度が整っており、さまざまな名目の「給付型」奨学金によって、多くの学生が勉強に専念できるようになっている。一方、日本の学生がよく利用しているのは、日本学生支援機構(JASSO)や、地方や民間の公共団体が提供する無利息、または年金利が3%を超えない貸与型奨学金だ。岐阜大学のサイトによると、同大学の学部生・大学院生7300人のうち、2100人がこの種の貸与型奨学金を利用している。
奨学金といっても、貸与型であるため、返済しなければならない。つまり、授業料が高額なため、卒業してすぐに、何百万円という借金を背負うことになってしまう。本来なら、卒業後、毎月少しずつ返済していけば完済できるものの、近年は就職難となっており、正社員の仕事が全く見つからない大学生も多い。アルバイトでは、3万5000-5万円の返済額は毎月の収入の3分の1に当たり、本当に苦しい生活となる。
JASSOの統計によると、16年、奨学金返還を要する人は374万1000人で、3ヶ月以上延滞している人が全体の約5%に当たる17万3000人に上る。中には、奨学金を返還するために、別の所でお金を借り、借金が雪だるま式に増えて、売春に手を出してしまう女性さえいる。また、30-40歳になっても、依然として返済が続き、元金と利息の支払いで首が回らないという人も多い。
今の日本の若者は、バブルの時代だった彼らの父親世代のように、卒業してすぐに「終身雇用」の仕事を簡単に見つけ、安定した一生を過ごすということはできない。彼らは、きつい仕事をしたとしても、経済的には父親世代と大きな差がある。自分の生活をやりくりするのもたいへんであるため、結婚などは考える余裕もなくなってしまう。このように絶望している若者が、日本の深刻な社会問題である「少子高齢化」を解決することなどできるのだろうか。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年1月9日
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