同報告書によると、世界の乳製品生産量は減少しているが、米国と欧州のニーズは緩やかに上昇しており、生産量の増加は一定の時間が経ってから達成されるため、この時間のズレにより将来、乳製品価格の短期的な上昇が起こる可能性があるという。
国際買い取り価格は上昇する可能性があるが、国内の買い取り価格も安くはない。現在、中国の乳製品原料価格は1キログラムあたり3.2元(1元は約16.5円)で、過去数カ月間の大幅上昇の後、現在のニュージーランド産全脂粉乳は原料価格に換算して同約2.5元だ。輸送費、関税、増値税(付加価値税)を加えると、輸入価格は同3~3.2元となり、ほぼ同じ水準になる。
業界ウォッチャーは、「だがこうした(国内の買い取り価格が高い)状況はかえって中国の酪農家に有利だ。過去2年間の価格の開きは非常にはっきりしており、国際市場の乳製品原料が大量に中国市場に押し寄せれば、酪農家の多くは牛を処分して廃業することになる」と話す。これまで国際市場の乳製品原料の価格的優位性によって輸入量が年々増加し、中国は今では主要な乳製品輸入国になっている。15年には牛乳の輸入量は46万トン、全脂粉乳は35万トン、脱脂粉乳は20万トンに上り、原料に換算すれば500万トンになり、貿易量の約7%を占める。データは、16年に中国の乳製品輸入規模は同26%拡大すると予測する。
多くの消費者がおそらく気づいているように、17年に入り、パスチャライズ牛乳を含む多くの乳製品の末端販売価格が5~10%ほど緩やかに上昇した。前出のウォッチャーは、「これは中国の乳製品消費が全体の規模はそれほど大きく拡大していないが、製品構造のバージョンアップが徐々に形を表して、低温殺菌牛乳や乳酸菌飲料などの製品がますます流行しているため、また三線都市と四線都市の消費市場が急速に拡大したため」と説明する。
同ウォッチャーは、「長年にわたる乳製品の飲食習慣の育成により、消費者の舌はますます肥え、製品の選択は理性的になり、より多くの種類の牛乳が登場して、(消費者は)国内の新鮮な牛乳を真っ先に選び、輸入された還元牛乳は選ばなくなった。そこで国内の乳製品原料の供給も徐々に足りなくなってきた。さらに現在の国内の乳牛飼養コストは高く、コストから考えても需給から考えても、国内の乳製品価格が高い価格を維持するのは妥当といえる」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年1月26日
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