不安定だった2016年を乗り越え、2017年の中国対外貿易は1月に好調なスタートを切った。データによれば、17年1月の輸出入額は2兆1800億元(1元は約16.6円)に上り、前年同期比19.6%増加し、輸出と輸入がいずれも増加した。このうち輸出は1兆2700億元で同15.9%増加、輸入は9111億7千万元で同25.2%増加。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3545億3千万元の黒字で、黒字額は同2.7%縮小した。
■中米貿易が急増
1月は欧州連合(EU)が中国にとって1番目の貿易相手先で、中国・EU間貿易額は3255億6千万元に上り、同14.1%増加して、中国の対外貿易全体の15%を占めた。このうち中国からEUへの輸出額は2116億4千万元で同13.6%増加し、EUからの輸入額は1139億2千万元で同15.2%増加し、対EU貿易黒字は977億2千万元で同11.8%拡大した。米国は2番目の貿易相手先となり、中米貿易額は3200億7千万元で同21.9%増加し、対外貿易全体の14.7%を占めた。中国から米国への輸出額は2339億8千万元で同17.2%増加、米国からの輸入額は860億9千万元で同36.7%増加した。対米貿易黒字は1478億9千万元で同8.2%拡大した。
中国の対米輸出は3カ月連続で速い増加ペースを維持し、ここから米国経済の安定がもたらした需要の回復傾向がうかがえる。
■対外貿易構造が最適化を続ける
対外貿易の構造をみると、持続的に最適化していることがわかる。1月には一般貿易の輸出入が1兆2500億元に達して同19.9%増加し、中国の対外貿易の57.3%を占め、この割合は前年同月を0.1ポイント上回った。民間の企業の輸出入の割合が高まり、外資系企業と国有企業の輸出入はいずれも増加した。
■1月は好調も通年では難航か
1月の海外貿易が高い成長率を維持した。これは海外貿易安定化政策が次第にその効果を見せ、企業の商品の競争力強化、価格高騰、大口商品輸入価格の高騰と輸入量の拡大、前年同月の低迷と関連している。
過去のデータを見ると、春節(旧正月、今年は1月28日)連休などの影響により、1月の輸出入データが通年の動向を示すものではないことに注意が必要だ。通年で見ると、中国の2017年の海外貿易は依然として複雑かつ厳しい情勢に直面している。不確定・不安定要素が増加しており、苦しい状況が続く。
中国の海外貿易は、主に2つの課題を迎えている。国内の要素費用が高騰し、産業と受注の海外シフトが加速している。世界経済の回復が遅れており、貿易保護主義が強まっており、世界貿易成長の先行きが不透明だ。国際貿易機関(WTO)は不況を理由に、2017年の世界貿易成長率を1.8-3.1%と予想している。
中国の1月の実行ベース外資導入額は801億元(1兆3245億円)で、前年同月比9.2%減少した。変動するデータについて、孫継文報道官は、「このデータが通年の流れを示すわけではない。中長期的な外資導入の優位性と環境を引き続き好感している」と述べた。
データをみると、16年1月の外資系企業新規設立数は2010社で、同0.1%増加した。同月の実行ベース外資導入額は同9.2%の減少だったが、昨年12月は同5.7%増加だった。
1月の外資導入額が減少した原因として、孫報道官は、「統計データから考えると、これは主に前年同月に資金導入が集中し、比較の対象となる数値が高かったためだ。また1月に春節(旧正月、今年は1月28日)連休という要因があったことも一定の影響を与えている」との見方を示した。
■「外資撤退ラッシュ」は偏った見方
国際的な経験で考えても、中国の実際の状況を踏まえても、すべての国の外貨資金は、経済発展の水準や産業構造の変化に合わせて出たり入ったりするものだ。ここ数年、一部の産業では確かに資金が流出したが、これと同時に多くの先端産業が中国市場に集まるようにもなった。これは資源配置の中で市場が決定的役割を果たしてきたことの結果だといえる。
2017年1月の中国の対外投資額は532億7千万元(約8803億8千万円)に上り、前年同月比35.7%減少した。投資先が実体経済と新興産業により集中するようになった。
1月の中国の対外投資は主に製造業と情報伝送・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス産業に向かい、前者は同79.4%増加し、後者は同33.1%増加した。設備製造業への投資は22億9千万ドル(約2597億6千万円)に上り、前年同月の2.7倍だった。不動産業への投資は同84.3%減少し、文化・スポーツ・娯楽産業は同93.3%減少した。
対外投資データの落ち込みについて、専門家は、「これは関連当局が虚偽の対外投資を摘発したことと関係がある。対外投資を誘導することで実体経済にサービスを提供し、対外投資のより健全な発展を推進することになった」との見方を示す。
(編集JZ)
「人民網日本語版」2016年2月28日
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