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中国の「淘宝村」が84万人の雇用創出

人民網日本語版 2017年03月06日11:11
中国の「淘宝村」が84万人の雇用創出
山東省博興県錦秋街道湾頭村で、伝統工芸・柳編みのインテリア雑貨を作る農民たち。壁には、「農村淘宝への加入歓迎」という宣伝文句を書いた掛け軸が掛けられている(写真は博興県のポータルサイトより転載)。

全世帯数の10%以上がショッピングサイト・淘宝網にネットショップを開設し、その取引額が年間1000万元(約1億6500万円)以上となっている村が、中国では「淘宝村」と呼ばれている。例えば、山東省博興県錦秋街道湾頭村の伝統工芸・柳編みのグッズが大人気になり、2016年のオンライン売上額が3億元(約50億円)に達した。また、四川省南充市西充県鳳鳴鎮双龍橋村は農村旅行とECを組み合わせ、民宿の「おもてなし」をグレードアップさせ、オンライン予約が殺到。外国人観光客も大勢訪れた。

「淘宝村」の出現は、ECが中国の農村経済の発展や農民の所得増加を促進させている証。中国農業部(省)は、16年、中国では農産品のオンライン取引額が前年同期比46%増の2200億元(約3兆6300億円)に達したと試算している。淘宝網を展開する阿里巴巴集団(アリババグループ)の研究機関・阿里研究院が最近公表した報告によると、中国には「淘宝村」が1311ヶ所あり、84万人以上の雇用を創出したという。

ある専門家は、インターネットが普及し農村の物流ネットワークが整備されるにつれ、農村部の物流の情報が制約されたり、物流のベースが不安定だったりという問題がある程度改善され、中国中西部、特にその辺鄙な地域の発展のポテンシャルがうまく掘り起こされ、消費者がそれらの地域の商品をスムーズに購入することができるようになったと分析する。

インフラの整備の遅れや低所得、競争力不足などの要素がこれまでずっと、農村部の発展を妨げ、その労働力が流出してしまう主な原因となっていた。農村のECは、農村市場環境の最適化、産業構造のグレードアップ、余剰労働力の移転などの面で大きな役割を果たしている。統計によると、裕福になるためのプロジェクトが実施されているのを背景に、実家のある村に戻る人が増加し、農村のECが発展したことで出稼ぎに出る人の数が約1200万人減少した。

ECの発展を支えているのが政策と市場の2本柱。17年の「中央1号文件」(1年間の最重要政策課題を示すもの)は農業の供給側の構造改革を中心にしており、その中で農村のECの発展の推進を明言している。その他、EC企業と伝統企業が次々に農村ECに進出している。最近、四川省とアリババグループ、同グループ傘下の金融グループであるアント・ファイナンシャルは、戦略提携をすることで合意した。アリババグループの馬雲(ジャック・マー)董事局主席は、「農村ECを発展させるために、アリババグループは四川で、共産党県委員会書記や県長のために、農村ECや当グループが農村に設けた新プラットホーム・農村淘宝の研修を行いたい。書記や県長のコンセプトが向上すると、農村ECの成功率も大幅に上昇する」との見方を示した。現在、農村淘宝は中国全国の2万3000以上の村をカバーしている。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年3月6日

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