このほど、鏈家地産研究院がビッグデータを分析した「2016居住生活報告」を発表し、データに基づいて中国の不動産市場における賃貸、販売分野の新しい傾向を読み解いた。北京青年報が伝えた。
住宅は「住むためのもの」から「快適に暮らすためのもの」へ
ここ2年ほど、中古物件の契約数が新築物件を上回るにつれ、中国人の住宅に対する考え方もこれまでの「住むためのもの」から、「快適に暮らすためのもの」へと変わってきている。
同報告によると、住宅品質の向上が住宅替えを促す主な原動力となっており、より多くの住宅購入者が住宅の良し悪しを解決することに力を注ぐようになり始めている。報告データによると、2016年、54%の消費者が子どものために住宅を購入した。そのうち、ある消費者は2人目の子どものために大きい住宅に替えるとし、またある消費者は子どもの教育のための準備で住宅を購入したと回答した。このデータから、子どもと住宅は家庭の幸福感の重要な要素といっても過言ではない。
初めて住宅を購入する年齢がさらにアップ、8割の消費者が賃貸に抵抗なし
住宅購入や住宅替えによって暮らしの幸福感を得られるだけでなく、賃貸住宅の分野でも新たな変化が起きている。より多くの人が賃貸住宅に精力と資金を投入し、長期間の賃貸住宅を受け入れるようになってきている。
調査データによると、北京や上海において、2013年から2016年にかけての4年間で、初めて住宅を購入する年齢が30歳から34歳に上がってきており、年平均で1歳ずつアップし続けている。このことは、大都市に住む若者はますます長い期間、賃貸市場に留まることを意味する。データによると、2015年、中国全国で1億6000万人近くの人が賃貸を選択しており、その数は2020年には1億9000万人に達すると見られている。
専門家は、「賃貸市場に留まる人が増加しており、伝統的な住宅に対する考え方が崩れたことで、多くの人が目の前の生活に対する質をますます重視するようになった。その一方で、賃貸住宅政策が整備されるにつれ、賃貸住宅の専門機関が賃貸住宅の環境を向上させていき、賃貸住宅でも質の高い暮らしを実現できるようになった」との見方を示した。データによると、家を借りている人の3分の2近くが賃貸住宅に精力と資金を投入すると予測している。また、8割近くの消費者、特に家を借りている若者が、「品質が良く、賃貸期間が十分安定しているなら、ずっと賃貸住宅でも問題ない」としている。
業界関係者は、「住宅をストックする時代の到来とともに、住宅リソースの流通スピードがより加速するならば、住宅を借りるか購入するかに関係なく、現在の高額な不動産価格・賃貸価格の問題を抑制できる可能性がある。そして住宅替えや賃貸住宅の取引のスピードをスピーディに処理することができれば、流通コストが低くなり、暮らしの幸福感が増す」との見方を示している。(編集YK)
「人民網日本語版」2017年3月10日
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