中国の研究者は15日、米「Science Translational Medicine」誌で、低コストの血液型検査紙の開発を報告した。最速で30秒内に各種血液型を特定でき、緊急救助の際に、重要な意義を持つ。また屋外、戦場、被災地など、資源が不足する環境での応用にも期待できる。新華社が伝えた。
臨床でよく見られる血液型検査方法には、試験管法、ゲルカード法、ガラス板法などがある。うちゲルカード法が最も一般的だが、赤血球表面の抗原もしくは血中抗体しか検査できず、また実験室の遠心分離機などを使う必要がある。操作が煩雑で、時間がかかり、コストも高い。
中国第三軍医大学第一付属病院の羅陽氏が率いるチームは、検査紙の抗原・抗体の反応発生後、血中物質との反応により青緑色もしくは赤褐色に変化する試薬を発見した。青緑は血液中にその血液型の抗原・抗体があることを示し、赤褐色はそれがないことを示す。これを踏まえた上で、チームは血液型を初歩的に特定する従来からのABO型試験紙や、より複雑な臨床検査に用いられる試験紙を作った。
従来からのABO型試験紙を例とすると、A型もしくはB型の1つの観察窓が青緑になれば、A型かB型。青緑色のどちらも青緑ならばAB型。いずれも赤褐色ならばO型といった具合だ。
さらに検査に応じて検査紙を変えることで、P、Kell、MNSなどを同時に調べることができる。
研究者は「従来からのABO型検査紙の1回の検査時間は約30秒で、珍しい血液型の場合は約2分かかる。3500以上の血液サンプルを分析したところ、この方法の正解率は99.95%に達する。誤差は主に珍しい血液型によるもの」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年3月17日
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