北京市は今月23日に発表された「北京・天津・河北および周辺地域の2017年大気汚染予防対策業務プラン」に基づき、新たに稼働するタクシーはすべて電気自動車に置き換えることとし、他都市でもタクシーを電気自動車や新エネルギー車に置き換える動きが積極的に進められている。電気タクシーを従来型車両と比較した場合の最大の優位性は、排気ガスを排出しない環境保護性能にある。統計によれば、電気タクシーが2カ月間走行すると、ガソリン1200リットルの省エネになり、二酸化炭素の排出量も3600キログラム削減できるという。だが電気自動車産業はまだ非常に成熟した発展段階には到達しておらず、背後には多くの問題点も潜む。一番の問題は充電ポールの普及率の低さで、営業車両の充電ニーズに対応できていない。次の問題は充電に時間がかかることで、タクシーの営業時間を奪うことになる。こうした問題の解決なしに、電気タクシーの効率よい運営は難しい。人民日報が伝えた。
ビジネス運営上のニーズに対応するため、北京市は「電池交換式タクシー」を打ち出した。ものの数分もあればフル充電された電池に交換できるというものだ。
北京新エネルギー自動車股フン有限公司(フンはにんべんに分。北汽新能源)が製造した充電式電気自動車「EV200」は、理想的な状態の下であれば1回の充電で約200キロメートルの走行が可能だが、実際にはなかなかこの水準に達しない。電池交換式電気自動車なら車体底部にある使用済み電池を新しい電池に交換するのに、全部で3分ほどしかかからない。
新エネルギー公司の鄭剛社長は、「タクシーの電気自動車化は大きな流れに違いない。主流のエネルギー供給スタイルの充電式自動車は、タクシー産業のビジネス運営モデルでは、根本的な問題を抱えている。それは現在の充電池はエネルギーの密度が低く、1回の充電による航続距離が短いという点だ。同時に、充電にかかる時間も相対的に長く、急速充電モデルという選択肢もあるが、これだと電池の寿命を縮めてしまう」と話す。
鄭社長は、「充電方式に比べ、電池交換式の設備は社会資源をより効果的に節約できる。たとえば占有面積をみると、充電ポールには駐停車する場所と通路が必要で、25平方メートル前後の面積は必要だ。また充電ポール1本で最大20台の充電にしか対応できない。だが電池交換ステーションなら、対応できる車両は約150~200台になる。つまり電池交換ステーションの使用効率は設置型充電ポールを建設した場合の10倍にもなるということだ」と指摘する。
また鄭社長は、「現在、新エネルギー公司は北京市内で電池交換ステーション50カ所を運営しており、年内に200カ所に拡大する計画だ。これと同時に、都市部で重点交通ターミナルをとりまく充電・電池交換ステーションを設置し、半径7キロメートル以内の充電を実現させる。少なくとも2万5千台のタクシーが市内で正常に運営されるようにし、運転手が航続距離を気にしたり、なかなか充電できなくて困ったりしないようにし、運営効率を大幅に高めることが可能だ」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年3月27日
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