フランスやイタリアの高級品店で、最大の顧客は誰かと聞いた場合、「世界中で買い物に明け暮れている」現状の中国人客、という答えが大半だろう。米メディアの記事を引用し、環球網が伝えた。
中国人消費者は多くの大手国際ブランドにとって重要な消費者だ。グローバルに見ても、彼らの高級品消費総額は全世界の消費総額の3割を占めている。また長い間、彼らの消費活動のほとんどが海外で行われている。その主な原因は中国国内におけるこうした商品の価格が飛びぬけて高額なため。ベインキャピタルは、中国人消費者は欧州で購入する方が中国国内に比べ割安であるため、欧州を「世界最大の新作高級品のディスカウントストア」とみなしていると指摘している。
BNPパリバ銀行が投資家向けに最近発表した報告書は、地域別の価格差を明らかにした。同報告書によると、中国の高級品価格は世界平均を約21%上回っている一方でフランスとイタリアの価格は、世界平均を約22%下回っている。
BNPパリバは今年3月の時点の、4846種の商品の価格を比較した。その結果、バレンシアガの中国での価格は、フランスを約25%上回り、ルイ・ヴィトンは50%弱、アルマーニは約7割も上回っていた。
欧州における店舗の数々はすでに深刻なほど中国人消費者への依存を強めている。BNPパリバのアナリストは「海外でショッピングをするのは中国人だけではないが、彼らは確かに大きな力を持っている。彼らの消費額は、イタリアとフランスの個人向け高級品販売量の7割以上を占める。英国とスイスの場合でも5割以上だ」と分析している。
気前のいい中国人客の存在により、代理購入事業も発展を遂げており、欧州や米国などでも代理購入が盛んだ。
しかし中国人消費者による海外と中国国内の買い物バランスの不均衡さはすでにやや改善されつつある。中国の高級品消費額の増加率は昨年、6年ぶりに海外を上回った。テロが欧州の観光業に及ぼした悪影響も無視できない。
BNPパリバは、価格差も縮小していく見通しだが、短期間のうちに実現されることはないと予想している。アナリストは「中産階級の消費者が需要拡大を促し、インターネットにより商品価格が透明化することから、価格差はさらに縮小するだろう。しかしこの縮小幅は欧州の店舗減少に伴い狭まるため、この流れは緩慢に続くとみられる」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年4月20日
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