中国の電子商取引(EC)最大手・阿里巴巴(アリババ)集団は18日、2016年第4四半期(10-12月)と16年度通年の決算を発表。第4四半期の収入が前年同期比60%増の385億7900万元(約6172億円)に達し、IPO(新規株式公開)を実施して以降最大の増加幅となった。前日にインターネットサービス大手の騰訊(テンセント)も17年の第1四半期(1-3月)の決算を発表し、総収入が前年同期比55%増の495億5200万元(約7928億円)に達し、純利益が前年同期比58%増の145億元(約2320億円)と、目覚ましい業績を収めた。IT大手の同2社の純利益を合わせると、1日当たり2億7000万元(約43億円)の利益を出していることになる。北京日報が報じた。
テンセントの営業収入に対する寄与率が最大なのは、ゲーム、SNS、広告。うち、オンラインゲームの収入が前年同期比34%増、SNSの収入が同比56%増、オンライン広告業務の収入が同比47%増だった。
決算報告によると、テンセントのオンラインゲームの収入は昨年第4四半期が184億6900万元(約2955億円)だったのに対して、今年第1四半期は228億1100万元(約3649億円)と、23.51%増となった。テンセントは決算報告の中で、「第一四半期は春節(旧正月、今年は1月28日)があったため、オンラインゲームの営業収入が強い伸びを見せた」と強調している。
IPOを実施して以降、最大の成長幅を見せたアリババは、天猫(Tmall)を代表とするECやクラウドサービス・阿里雲の業務収入が注目ポイントとなっている。同四半期、アリババ集団の中核を担うECの業務収入は前年同期比47%増の315億7000万元(約5051億円)、阿里雲の収入が同比103%増の21億6300万元(約346億円)に達した。16年度第1四半期以降、3桁成長を続け、「8連覇」を記録している。業界関係者は、「アリババエコノミーの多様化した生態システムの推進作用や、新たな小売り戦略による中国のビジネススタイルに対するリファクタリングの価値などがますます際立つようになっている」と分析している。
17年に入り、アリババとテンセントは、市場価値の面において、追いつけ追い越せの熱戦を繰り広げており、どちらの市場価値も3000億ドル(約33兆3000億円)と、世界トップグループの一員になっている。また、アリババとテンセントだけでなく、最近決算報告を発表した京東、網易、新浪、微博(ウェイボー)などのIT系企業も予想を上回る業績を見せた。あるベンチャーキャピタル関係者は、「各IT企業が成長を見せているのは『M&Aの効果+規模の経済+消費の高度化』の三拍子が揃った結果」と分析している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月19日
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