2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
現在、中日両国政府はいずれも投資環境の改善に向けて努力しており、このことが両国の工商界の交流協力強化に貴重な歴史的チャンスをもたらすとみられる。
▽製造業のバージョンアップ・改良のチャンスをしっかりつかまえる 省エネ・環境保護などでの協力を引き続き推進する
第13次五カ年計画期間に、中国は革新が駆動する発展を加速させ、「メイド・イン・チャイナ2025」を実施し、製造業の自動化、スマート化、サービス化への転換、および粗放型から集約型への転換を推進した。中国の産業はミドル・ハイクラスへ進み、製造業はバージョンアップと改良に直面し、技術水準の大幅な向上と省エネ・環境保護ニーズへの対応が必要になるとみられ、これはつまり、中国企業は目下、生産設備・技術の次なる更新・代替わりの時期に入りつつあるということを意味している。
日本には精密な工作機械、機器・計器、スマート製造、クリーン設備、バイオ技術などの優位性があり、中日双方がこうした分野における技術革新をめぐる交流や人材育成などで行う協力には無限の商機があるといえる。現在、経済構造調整を加速させ、発展モデルを転換させることが、持続可能な発展の道筋であり、中日が直面する共通の課題であり、両国の経済貿易関係の発展にとっては挑戦でもありチャンスでもある。両国企業が省エネ・環境保護、新エネルギー、循環型経済などの分野での協力を強化することは、双方が新たな市場を開拓する上でプラスであり、相互利益・winwinをよりよく実現できるとみられる。
日本は省エネ・環境保護、グリーン循環型経済、ハイテク技術などの分野で世界先端の省エネ・環境保護技術を有するだけでなく、生産や技術輸出の成熟した経験も備えている。中日両国企業にとって、それぞれの優位性を発揮して、グリーン技術と市場資源の有機的な結合を実現することは、この分野における協力展開の根本的な方向性だ。
ここ数年、日本経済団体連合会、日中経済協会、日本国際貿易促進協会などの業界団体が大規模な経済界の代表団を相次いで中国に送り込み、中国の省や市も経済貿易代表団を日本に送り、双方は環境保護、省エネ、グリーン、低炭素、防災減災などの分野で実務的な交流と協力を進めている。双方は中日省エネ・環境保護総合フォーラムや中日グリーン博覧会などのプラットフォームを利用して、相互補完ニーズを引き続き発掘し、「現実的ニーズ」を絶えず「実際的成果」に転換させ、省エネ・環境保護の中日経済貿易協力において最前線に立つ存在という役割をしっかりとつき固める必要がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月28日
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