2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
▽新型都市化のチャンスをしっかりつかまえる 新興産業と地方との協力を強化する
これから10~20年の間に、中国の都市化率は70%に達し、毎年1千万人以上が都市に流入するとみられる。中国都市部の一人あたり平均インフラ社会資本ストックは先進国の3分の1に満たず、今後5年で大幅に向上することが確実視される。中国は目下、地下パイプライン網、社会保障対策としての公共住宅、スマート都市、無害化処理施設、防災減災、都市総合交通ネットワークなどの建設作業を進めており、これと同時に広大な農村部でも公共サービス施設を建設している。これらの分野には兆単位の投資ニーズが潜む。
日本はすでに都市化プロセスを完了し、省エネ・環境保護、インフラ、防災減災、市政の管理、都市の持続可能な発展といった分野で豊富な経験と技術を積み上げており、中日双方の協力には極めて大きな潜在力がある。第13次五カ年計画期間中、中国は西部大開発、東北地域の振興、中部の勃興発展、東部が率先して進める地域発展の総合戦略を深いレベルで実施しており、北京・天津・河北の共同発展、長江ベルト地域と「自由貿易区」の戦略、「一帯一路」(the belt and road)イニシアティブという3大戦略を引き続き実施している。中日双方はこうした分野での協力を強化し、企業の長期的な経営目標および両国経済社会の発展を達成しなければならない。
今後まず中国での研究開発投資を拡大する。これまでもたくさんの日本企業が中国の発展がもたらした市場チャンスをつかまえ、研究開発協力を強化し、産業の革新力を向上させてきた。次に海外の投資家が中国の中西部および東北旧工業基地に投資し、先端製造業と戦略的産業に投資するよう奨励する。さらに友好都市間の交流と協力を展開する。現在、中日間で友好提携を結んだ県・都市は250組に上り、一連の都市が経済協力パートナーシップの構築を模索しており、16年12月には福建省と沖縄県が東京で経済貿易協力覚書に調印した。
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