中国への米国産牛肉の輸入が解禁されて1ヶ月余りが経ち、国内の大手電子商取引プラットフォームや小売スーパーに米国産牛肉が入ってきた。中央テレビ(CCTV)財経チャンネルが伝えた。
現在北京市場で販売されている国産牛肉の価格は、総じて1キロ70元から90元(1元は約16.4円)する。一方、輸入牛肉は冷凍が中心で、オーストラリア産は1キロ55元から70元、ブラジルなど南米産は40元から55元となっている。今回市場に出回り始めた米国産輸入牛肉は、主に高級市場向けの空輸された商品で、価格は1キロ当たり100元から300元までとさまざまだ。
商務部(省)の統計データによると、2016年、中国の牛肉消費量は800万トンに、市場規模は3600億元に達した。同年の牛肉輸入量は82万5千トン、輸入額は約26億ドル(1ドルは約110.3円)。その多くはオーストラリア、ウルグアイ、ニュージーランドから輸入された。
黒竜江省竜江県で肉牛ブローカーを営む韓宝剛さんは、「米国産牛肉の輸入が解禁される前、国内の肉牛養殖業は、オーストラリアや南米と競争していた。現在、牛肉の売れ行きが芳しくないのは、主に消費のオフシーズンであることが原因となっている。その上、豚肉や鶏肉の価格が大幅に下落したため、牛肉という絶対的ではない需要に対して直接ダメージがもたらされた」と話した。
米国産牛肉が中国に入ってくることは、消費者から見れば、選択肢が増えたことになるが、国内の肉牛養殖業や屠殺加工業にとっては大打撃となることは間違いなく、それによって業界全体での産業アップグレードが迫られることになる。
14年ぶりに、中国は米国産牛肉の輸入を再開した。これによって、大量の廉価な米国産牛肉が中国の牧畜・養殖業を脅かすのではないかと心配する声は多い。実際のところ、これはほぼ杞憂にすぎない。まず、米国から中国に輸入される牛肉は、中・高級品が中心で、価格は高い。また、中国が牛肉の輸入を認めている国は今のところ十数ヶ国で、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、日本、韓国などから、様々な価格・等級の牛肉が入ってきている。だが、これらの輸入牛肉が国内の牛肉産業を脅かしたことはない。逆に、牧畜・養殖から屠殺・販売の各業界に良い刺激を与え、各プロセスにおける産業のアップグレードと技術の進歩が実現している。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年8月2日
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