13日付英フィナンシャル・タイムズ紙掲載文章によると、中国の某火鍋チェーン企業が、一人客をターゲットとした新商品「大玩具熊(大きな熊のぬいぐるみ)」を発表した。同社は、「今回のサービスは、一人客の孤独感を紛らわせるのに効果がある。中国人口の大きな変化によって、このような一人客が激増しており、この変化によってもたらされるビジネスチャンスをどの店も虎視眈々と狙っている」と指摘している。環球時報が報じた。
消費者市場の戦略的調査大手「ユーロモニター・インターナショナル」の統計データによると、2012年以降、中国の独身成人は16%増えて7700万人に達し、2021年には9200万人まで増加する見込み。経済的に豊かな都市のリードにより、中国人の結婚年齢は上がる一方だ。上海では、2011年には27歳だった女性の初婚平均年齢は30歳に上昇した。中国の離婚率は過去10年間で倍増し、結婚持続期間も短くなりつつある。
人口問題の専門家は、以下のような見方を示している。
「出生時男女比のアンバランスから、数千万人の中国人が独身のまま一生を終える可能性がある。米ボストンコンサルティングの統計データによると、中国の都市人口のうち16%は一人暮らしという。このような傾向に伴い、独身のまま人生を送ることに対する人々の考え方に深いレベルでの変化が起こり、独身でいることについて、非難の目を向けられることはなくなった。これは、独身が『一人で食事をとり、一人で旅行を楽しみ、一人でさまざまな活動をする』ことを意味している」。
企業側は、日本や韓国ですでに生じているこのような傾向に、鋭く反応している。一部の企業は中国の独身者向けに、より小型の炊飯器、オーブン、やかんなどを発売しており、中国には「独身の日」まで設けられた。既婚者と比べ、独身者は家族と「親戚を訪問する」ことや、家族と一緒にショッピングする機会が少ない一方、観光や体験の魅力にあふれた旅行先を好む傾向にある。
食品デリバリー業界も、このような「独身ブーム」の恩恵を受けている。統計データによると、2016年、中国における同業界の売上は44%増加した。某大型デリバリーサービス企業の広報担当者は、「今年上半期の売上は127%増加した。独身者のうち自分で料理する人は非常に少ない」と話した。別の大型企業は、「顧客のうち独身者が65%を占めている。彼らが最も好むのはファストフードで、独身者は弊社にとって最も重要な顧客となっている」としている。
中国のファストフード店やコンビニは、独身者で溢れている。だが、高級レストランが彼らを惹きつけることは非常に難しい。なぜなら中国では、「1人で食事をする」ことに対するイメージは、まだ良くなっているとは言えないからだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年8月14日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn