微信のグループで「収穫」をシェア
李さんは、微信(Wechat)に「UFOキャッチャー聯盟」という名前のグループを立ち上げており、娟さんもそのメンバー。同グループ内のメンバーを通してできた知り合いも二人にとっては「収穫」だ。
「UFOキャッチャー聯盟」のメンバーの年齢は平均30歳で、ほとんどが経済的にも、時間的にも自由な若者だ。メンバーは互いに「UFOキャッチャーのプロ」と呼び合う、UFOキャッチャーのベテランだ。普段は微信を通して、UFOキャッチャーの「成果」を語り合い、中には短時間でUFOキャッチャー1台の人形を全部取ったというメンバーもいる。また、UFOキャッチャーのある場所を教え合い、中には、画像を見ただけで北京のどこの店か分かってしまうメンバーもいる。
「1日で『プロ』になれるわけではない。プロと素人では、使っているコインの数が違う」と娟さん。「初めの頃、コイン300枚使っても1つも取れない時もあった。その後、あまりにたくさん取ったため、そこの店主に強制的にやめさせられたこともある。UFOキャッチャーには暗黙のルールがあり、店主はアームの強さを調整できる。でも、テクニックも大切」という。「プロ」たちにとって、ゲットできる確率は重要ではなく、人生の目標のように、喜び楽しみながら常にチャレンジを続けている。
専門家「ほどほどにしておくべき」
中国人民大学心理学部の張登浩准教授は、「経済が発達している都市では、仕事や生活などの面で、あまりうまくいかないという人がたくさんいる。ある日、自分にUFOキャッチャーで人形を取る面で能力があることを発見し、他の人に『プロ』と呼ばれるなど称賛されると、大きな充実感を得ることができる」と分析しながらも、「短期的に見れば、心理的健康に役に立つものの、長期的に見ると、心理的健康にとってよくない」と強調する。そして、「UFOキャッチャーを通して自尊心を向上させようとする人はその行為をほどほどにするよう心がけ、一時的に気持ちを改善するだけにしておいたほうがいい。そして、多くの精力を自分をもっと成長させることに費やし、自分の内面の価値によって自分の行動を評価しなければ、自尊心を改善、向上させることはできない」との見方を示す。 (編集KN)
「人民網日本語版」2017年8月15日
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