昨年、中国の杭州市で開催された主要20ヶ国・地域(G20)首脳会議で、ロシアのプーチン大統領は手土産にロシア製のアイスクリームを持ってきた。この「アイス外交」は美談になるだけでなく、ロシア製のアイスクリームは中国のネット上で有名となった。
それ以降、中国から大量の注文がロシアに殺到しており、ロシアのアイスメーカーも巨大な中国市場に目をつけるようになった。現在、中国でロシア製のアイスクリームは保税区の輸入直営店とスーパーで見つけることができる。北京の肉まんチェーン店「慶豊包子舗」と提携を組んでいるアイスメーカーもあり、レストランのレジでは、「ロシアからの贈り物・アイスクリーム」という広告が貼られている。
ロシアで良く知られるアイスクリームのある老舗メーカーの多くの製品は、クレムリン宮殿とグム百貨店に直送されているという。同メーカーの最高経営責任者(CEO)は今年、中国に向けて500トンのアイスクリームを輸出する予定だと記者に話した。セールス部門の担当者によると、中国に輸出する第1陣のアイスクリームは「ジェド・マロース」の商標を採用した。ジェド・マロースはロシアのサンタクロースであり、ロシアの特色を表しているという。
中国山東省のある貿易会社のマネージャーは、「ここ一年、ロシア製アイスクリームが中国に販路を拡大してきた。中国人の消費行動がアップグレードし、市場で一大ブームを引き起こした」と話した。昨年10月、この会社はロシア製アイスクリームの山東省における総代理権を獲得し、今年1月から7月までで合計210万元(約3450万円)に相当するアイスクリームを輸入したという。
ロシア食品貿易業務に携わっている会社のあるマネージャーは、「一部の欧米高級アイスクリームと比べ、ロシアのアイスクリームには明らかに価格面での優位性がある。ロシアのアイスクリームは高品質でほど良い価格帯を維持している。さらに、プーチン大統領の広告効果を加えたことで、ロシアのアイスクリームは中国で瞬く間に大人気商品となった」と語った。
ロシアのアイスクリームを中国に輸送するルートは主に二つある。一つは海上輸送、もう一つは自動車での運搬だ。全行程のコールド・チェーンが必要なので、輸送コストは低くない。
また、輸送コストを低下させるためには輸送にかかる時間の短縮も必要だ。中国-欧州の貨物列車が大規模に開通するのに合わせ、将来的にはコールド・チェーン・システムを装備した貨物列車を使ってアイスクリームを中国まで輸送する可能性も考えられている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年8月17日
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