前出の王さんはオーダーメード旅行について一家言をもっている。「自分とガールフレンドは働き始めてからそれほど時間が経っておらず、貯蓄も多くないので、最初はオーダーメード旅行は予算を大幅に超えてしまうと考えていたが、実際にはそうではなかった。滞在先の一つの米国オレゴン州ポートランドでは、ガイドが自分たちの希望を踏まえて、海辺の公園を散策し、レストランで現地のヘルシーフードを食べるプログラムを組んでくれ、費用は決して高くなかった。登山やサーフィンや釣りといった専門のコーチやガイドの同行が必要な日程にした場合は、費用は当然高くなる」という。
大衆の消費水準に見合ったオーダーメード旅行がますます増えている。米カリフォルニア州ロサンゼルスで代理購入業務を手がける「小熊熊」さんは、ロサンゼルスに来た中国人観光客で、ガイドに連れられて人気の観光スポットに行くのではなく、普通の町並みを普通に散歩するといった人がますます増えているのに気づいたという。「その辺のカフェやバーやレストランで、数人の中国人観光客が、コーヒーを飲んだり食事をしたりしながら、現地の様子を紹介するガイドの説明を聞いている光景をしょっちゅう見かける。こうした流れの影響で、最近は中国人観光客の買い物も理性的になり、ぜいたく品の店に殺到するようなことはなくなり、大衆的ブランドの商品や普通の価格の商品をより好むようになってきた」という。
微信(WeChat)と旅行予約サイトの窮遊網はこのほど共同で窮遊スマート攻略ミニプロセスを打ち出し、ユーザーのリアルタイム位置情報に基づいて周辺の観光ルートをすすめるサービスを始めた。オーダーメードでコストパフォーマンスの高い自分に合った海外旅行を求める中国人観光客の巨大なニーズを見越してのサービスだ。
▽「中国化」した商品が続々登場
中国人観光客のこうした変化が海外旅行先の国や地域で注目を集めている。日本のジャーナリスト中島恵さんは著書「爆買い後、彼らはどこに向かうのか?」の中で、今や英語を流暢に話し、身なりはシックでTPOをわきまえた中国人観光客がますます多くなり、中国人観光客の消費動向にも変化が生じていると指摘し、日本人はこの新興クラスターにもっと注目すべきだと注意を促した。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn