介護サービス企業の社員がコミュニティに入って高齢者にガイドサービスをしている様子。(写真はインターネットより)
10月16日、北京市の「高齢者旅行受け入れ基地のサービス管理規定」が発表され、大手観光スポットが60歳以上の高齢者を対象に、高齢者旅行受け入れ基地を設立することになった。同市は生態環境の優れた空気のきれいなエリア、車で2時間以内のエリア、バリアフリー設備の整ったエリアに基地を設立するよう求めており、また高齢の観光客の事故、病気、その他の緊急事態に適切に処理するためのプロセス・プランなどを制定するよう求めている。
中国では、2020年になると60歳以上の高齢者が2億5500万人に達し、総人口に占める割合は17.8%になり、高齢化が一層加速する見込みだ。「シルバーラッシュ」は介護サービスのニーズを激増させ、介護産業市場の巨大な潜在力をますます顕在化させるとみられる。中国政府は、第13次五カ年計画期間に介護保険制度と医療保険制度を整え、長期的ケア保険制度の構築を模索することを明確に打ち出した。
中国では、過去5年間にコミュニティ、家庭、機関による介護が一体となった新型コミュニティ介護サービス機関が一定の規模に達した。介護サービスを提供するコミュニティ、高齢者施設も従来の介護サービスのモデルを土台としてこれに医療サービスを融合させた。このような医療と介護が結びついた特色あるサービスが高齢者に大人気で、「ベッドの空き待ち」現象が起こる機関もある。
またスマート設備製造メーカーは高齢者市場をより重視するようになり、新型スマート施設を開発することで高齢者の移動の不便さという問題を解決した。
介護産業の勃興にともない、介護サービスの専門的人材のニーズも増加を続ける。介護・ケア産業は現在、「ニーズは大きいが、人材不足」という現実的な問題に悩まされている。
北京師範大学中国公益研究院が7月に発表した報告書「成長と短所――2017年中国介護サービス人材育成状況」によると、何らかの能力を失った高齢者だけでも4063万人おり、国際標準に照らして3人あたり1人の介護者を配置すれば、少なくとも1300万人ほどの介護者が必要になるという。
国家発展改革委員会社会発展研究所の楊宜勇所長は、「コミュニティや在宅での介護サービスでは人材建設の標準化を早期に実現し、介護産業従事者のチームを強く大きくしなければならない」との見方を示す。
高齢者はオフピークシーズンや閑散期の観光市場の「主力軍」にもなる。多くの旅行会社がこのチャンスを利用して高齢者向け旅行商品を打ち出す。不動産会社、不動産サービス会社なども徐々に介護分野に参入し、どこもビジネスの見通しは明るいという。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年10月19日
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