近年、中国の各大都市では地下鉄網の規模が急速に拡大しており、次々と「地下鉄時代」に突入している。それと同時に、自動運転技術は中国のますます多くの都市で利用されるようになってきており、スマートシティの発展に「スピード」と「情熱」をもたらしている。新華社が伝えた。
全自動運転システムを使い、列車が車庫から出発する前にスリープモードから自動で起動させ、検査を終えた後に自動的に出発し、時刻表に従って運行することができる。また、区間運行や駅到着時の停車、ドアの開閉、駅からの発車、回送なども自動的に行い、運行完了後、自動的に車庫に戻り、スリープモードに入ることができる。このほかにも列車と駅、コントロールセンター間の自動コネクティビティも実現している。
ここ数年、中国国内において都市レール交通に全自動運転技術の導入を試みる都市が続々と増え始めている。
上海申通地下鉄グループによると、今年年末に開通予定の17号線と9号線第3期、浦江線がすでに全線における試験運転をスタートさせている。そのうち17号線では、独自の知的財産権を持つ中国製の信号システムが備え付けられており、自動運転やドアの自動開閉、自動回送、自動出入庫、自動検査・メンテナンスといった機能の全自動運転技術を実現している。また、現在建設中の上海鉄道交通の14号線と15号線、18号線も全自動運転の基準に沿って建設されている。
また先ごろ成都軌道交通グループが明らかにした情報によると、成都鉄道交通9号線は全自動運転技術を採用し、2020年年末までに試験運転の条件を整える見通しだ。今年年末には、全自動運転システムを搭載した北京地下鉄燕房線が試験運転をスタートさせる。また、南京地下鉄7号線も全自動運転システムを採用し、そのテスト区間は現在すでに建設段階に入っている。
◆斯柯信号有限公司(◆は上と下が上下に組み合わさった字)の首席アーキテクトの汪小勇氏は、「鉄道交通の発展トレンドを導く先進的な旅客輸送交通システムとして、全自動運転システムは安全で信頼性が高く、鉄道輸送能力の強化、運行の柔軟性の向上、運行コストの低下などの面でメリットがある」と説明した。また、「そのため、全自動運転システムは車両と信号、プラットホームドア、通信・総合モニタリングなどのコア設備において、より高いスマート化基準が求められる。全自動運転システムはより高い安全性、信頼性、メンテナンス性を兼ね備え、それにふさわしい現代化された運行管理も必要となる」との見方を示した。
汪氏によると、全自動運転は人為的なミスがもたらす安全リスクを低下させ、路線と車両資源の利用率を高め、設備の故障による市民への影響を減らす。その普及と応用により、中国鉄道交通の国際的な地位と影響力が大いに向上するとしている。上海鉄道交通10号線を例として見ると、その故障率はやや低いレベルを保っており、平均スピードが通常路線よりも7.8%アップし、出庫と入庫の時間が50%減少したことが明らかになっている。
業界関係者はネットワーク化とスマート化、情報化は鉄道交通の将来的な発展の方向であり、全自動運転の応用は今後も更に広がっていくと見通している。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年10月17日
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