2018年にはどのような人材が中国では最も求められることになるのだろうか。どの産業が「スター産業」となるのか。著名なグローバル人材会社のヘイズはこのほど、2018年の中国の10大人材発展傾向を次のようにまとめた。『瞭望東方週刊』が伝えた。
第一に、「STEM人材」が不足する。
STEMとは、科学(Science)と技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの英語の頭文字を取った短縮語である。STEMは、国家の科学技術の繁栄にとって極めて重要となる。高級STEM人材の不足はすでに世界的な問題となっており、中国も例外ではない。
第二に、サイバーや電子商取引、デジタル技術の人材が引き続き奪い合いとなる。
デジタル化によるモデル転換を推進し続ける中国は、世界のデジタル技術と電子商取引の分野のリーダーを目指して努力しており、関連分野の人材には大量の就業機会が生まれている。
第三に、「ソフトスキル」が今後も希少技能となる。
「ソフトスキル」とは、卓越した指導力や人的資源管理能力、コミュニケーション能力を指す。「ハードスキル」のほかに「ソフトスキル」を持つ人材は、人材市場の希少商品となり、奪い合いの対象となる。
第四に、医療保健業が力強く成長する。
中国の医療設備や製薬などの関連産業では、公共機構や民営機構、プライベートエクイティ投資が、投資者に豊富な経済的リターンをもたらしており、来年もこの業界は力強く成長するものとみられる。
第五,「共有サービスセンター」が出現する。
2018年には、「共有サービスセンター」が出現し、情報技術や人的資源、管理、さらには求人を含む専門的な機能を企業が共有し、效率の向上やコストの引き下げをはかることができるようになる可能性がある。
第六に、中国企業が世界でさらに輝きを放つようになる。
2018年に入っても中国企業は革新にさらに力を入れていくものとみられる。これと同時に、中国市場で彼らが獲得した豊富な収益は、世界全体の発展に堅実な土台を築くものとなっている。
第七に、企業全体の給与支払いの圧力はますます高まる。
2018年には、カギとなる分野やトップ人材の報酬や待遇はさらに高まり続け、企業間の人材争奪戦はいっそう激しくなると予想される。企業は、人材を引きつけ、引き止めるため、新しい策略を打ち出すことになるだろう。
第八に、人工知能が重要な「人的資源管理者」となる。
人工知能は現在、強大な予測分析と機械学習の能力によって、人的資源の権能分野へと徐々に入り込み、これまでの人材管理方式を変えつつある。人工知能のこの分野への応用はまだ深まっていないが、将来的に演じる役割は限りないものとなるだろう。
第九に、「ミレニアル世代」が徐々に指導的な職位に就き始めている。
「ミレニアル世代」(1984年から2000年までに生まれた若い世代)は今後10年で中間管理職となり、未来の重要な指導ポストの候補者となっていく。
第十に、「コンプライアンス」人材の需要が高まる。
中国の急速に変化する監督管理環境によって、監査やリスク、法務など「コンプライアンス」関連のベテラン人材に対する企業の需要は高まることとなる。
ヘイズ社の中国エリアの責任者を務めるサイモン・ランス氏(Simon Lance)は、「人工知能やサイバーセキュリティ、ビジネス金融などの各分野で、多くの中国企業がすでに多国籍企業を超え、中国市場を率いる存在となっている。これらの企業は、世界的なブランドへのグレードアップを目指し、そのために人材を『争奪』し、人材を引き止めるための戦術をさらに整えていくことになるだろう」」と語る。(編集MA)
「人民網日本語版」2018年1月2日
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