2017年の中国の特色ある大国外交を振り返ると、人類運命共同体の構築推進という一貫した鮮明な主軸の存在に難なく気づく。(文:陳須隆・中国国際問題研究院国際戦略研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
この1年、中国は人類運命共同体の構築推進について重要な発言を2回行った。
最初の発言は国外で行われた。2017年1月18日、ジュネーブの国連欧州本部で習近平国家主席は「人類運命共同体の共同構築」と題する基調演説を行い、中国がなぜ人類運命共同体の構築を推進するのか、どのような人類運命共同体を構築するのか、どのようにして人類運命共同体を構築するのかという3つの基本的問題に回答し、人類運命共同体の構築が平和の永続する世界、普遍的に安全な世界、共同繁栄する世界、開かれた包摂的世界、清潔で美しい世界の構築を旨とすることを明確にした。この演説によって人類運命共同体の構築という中国の案は、広く認められる国際秩序の原則に根を下ろすとともに、国連の崇高な事業と全面的に連携し、中国の役割、中国の貢献、中国の責任感をはっきりと示し、広範な世界的影響を及ぼした。
第2回の発言は国内で行われた。第19回党大会報告は、中国の特色ある大国外交が新型の国際関係と人類運命共同体の構築を推し進めることを明確にした。これは習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想の重要な内容となり、人類運命共同体の構築を高い政治的高みに引き上げ、思想を統一し、行動を揺るぎないものにするうえで非常にプラスとなった。
この1年、中国は人類運命共同体の構築という理念をグローバルなコンセンサスに変えることに成功し、複数の国連決議に盛り込むべく推し進め、歴史的ブレイクスルーを得た。2月10日、国連社会開発委員会第55回会議は決議「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の社会的側面」を採択し、国連決議として初めて「人類運命共同体の構築」理念を盛り込んだ。3月17日、国連安保理はアフガニスタン問題に関する第2344号決議を採択し、安保理決議として初めて「人類運命共同体の構築」理念を盛り込んだ。3月23日、国連人権理事会第34回会議は「経済、社会、文化的権利」及び「食糧権」に関する両決議を採択し、国連人権理事会決議として初めて「人類運命共同体の構築」理念を盛り込んだ。これらの「初めて」によって、国際社会のコンセンサスが具体的に示され、グローバル・ガバナンスに対する中国の理念と案の重要な貢献がはっきりと示された。
この1年、中国は人類運命共同体構築の新たなプラットフォームを築き、歴史の新たな章を共に記した。第1に、「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムを開催し、人類運命共同体の構築が各国共通の願いであることを確認した。第2に、中国共産党と世界政党の上層部対話を開催し、「人類運命共同体の構築、素晴らしい世界の共同建設:政党の責任」というテーマをめぐり踏み込んだ議論を行った。第3に、南南人権フォーラムを設立し、協力によって発展を促進し、発展によって人権を促進し、人類運命共同体を共同構築することを提唱した。こうした新たなプラットフォームは、人類運命共同体の構築という重要な使命を支え、「共に話し合い、共に建設する」知恵と力を結集する。
この1年、中国による人類運命共同体の推進は周辺諸国・地域に根を張り、新たな進展を得て、新たな歴史的一歩を踏み出した。中国はコネクティビティと発展の連携を強化し、重大な現実的問題を適切に処理し、多国間協力体制を拠り所に、複数の措置を同時に行い、より緊密な中国ASEAN運命共同体、戦略的意義を持つ中国ラオス運命共同体、中国ベトナム運命共同体の構築に力を入れ、著しい成果を挙げた。人類運命共同体という理念は、人類共通の価値指向を体現している。2017年を振り返ると、中国は実際の行動によって、人類運命共同体構築の強大な力の結集を始めた。将来を展望すると、中国は引き続き人類社会に確かな貢献を果たす。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年12月29日
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