統計によると、2016年の中国人の携帯電話使用時間は3時間を超え、世界で第2位にランクインした。世界トップとなったブラジルでは1日あたりの携帯電話使用時間が約5時間となっている。また第3位と4位の米国とイタリアはそれぞれ2時間半ほどとなっており、米国ではすでにスマホが全面的に普及している。中国経済網が伝えた。
2012年以降、各国の消費者の携帯電話使用時間が目に見えて長くなってきている。なかでも米国は4年前と比べ、去年は1時間も長くなっている。こうしたデータからも容易に理解できるように、科学技術の発達に伴い、ますます多くの新技術がスマホに活用され、人々が手にするスマホはますます多くの機能を備えるようになっており、こうしたこともまた、人々の仕事や暮らしを極めて便利なものにしている。今後も長きにわたり、スマホは人々の暮らしにおける非常に重要な一部となることは想像に難くない。
○スマホ依存症は一種の精神障害
ほとんどの人にとってスマホはまるで身体の一部のようであり、常に手にあるという感覚かもしれない。目を覚ましてまずやることがスマホをチェックすることであり、寝る前に最後にやることもスマホのチェック。ほとんどの人が5分毎に1回はスマホをチェックしており、もし、スマホを紛失したり、家に忘れようものなら不安を感じる。こうした人々の行動は依存症と呼ばれるもので、スマホを利用したソーシャルメディアやネットショッピング、ゲームなどもこうした依存症を引き起こす。
ゲーム依存症に関しては、世界保健機関(WHO)は最近、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」の改訂で「ゲーム依存症」を精神と行為障害として初めてリスト入りさせる意向であることを明確に示している。「ゲーム依存症」の人はその影響で正常な生活や仕事、人付き合いも破綻させてしまう。しかし、世界保健機関はまだ具体的な治療アドバイスを提出するには至っていない。
注意すべきなのは、なにもゲームをする人が全て「ゲーム依存症」であるわけではないという点だ。研究によると、デジタルや動画のゲームを遊ぶ人々のうち、ごく一部が「ゲーム依存症」の影響を受けるとしている。
精神保健・物質乱用防止局のVladimir Poznyak博士は、「飲酒する人のほとんどがアルコール依存症の影響をうけないのと同様に、電子ゲームで遊ぶ人のほとんどがゲーム依存症の影響を受けることは無い。しかし特定の状況下で過度に使用すれば良くない影響を及ぼすことになる」と指摘している。
○大人のほうがさらに深刻
スマホ依存症が最も深刻なのは実は若者や子供ではなく、中年やベビーブーマー世代。
米国では1966~80年生まれの35歳から49歳までのジェネレーションX世代が毎週ソーシャルメディアに費やす時間は18歳から34歳の世代に比べて40分間多くなっており、1946~64年生まれのベビーブーマー世代はさらに深刻となっている。ジェネレーションX世代がスマホやパソコン、タブレットPCを使用する時間は1980年以降に生まれたミレニアム世代をも上回っている。運転しながらのスマホ使用時間はミレニアム世代を下回っているものの、それでも一定のレベルを上回る時間数となっている。
中年の人々はなぜそれほどスマホを好むのかという点について、この世代の人々は外部とのコミュニケーションを最も必要としている世代であり、核家族の中でジェネレーションX世代は最も重要な仲介役としての役割を果たし、一家の様々な年代からの情報が集中することになっているからだと分析されている。また30歳以下の人々が自撮りをしてインスタグラムなどのソーシャルメディアで友達とのシェアを好むのに対し、中年の人々は子供や学校、父母などと、コミュニケーションツールとしての習慣的な使用となっており、各種の情報のやり取りが行われることもその要因の一つとみられている。
スマホ依存症はうつ病の原因になりやすいので注意が必要
ニューヨーク州のビンガムトン大学の研究者が大学生182人を対象に、彼らの日常的な携帯電話の使用頻度で「熟慮して使用」、「しばしば使用」、「かなり頻繁に使用」、「のめり込んで使用」、「依存症」の5つのレベルに分けたところ、7%が「依存症」で、12%が「のめり込んで使用」だった。そしてこの2つのグループの人々は、スマホの使用に歯止めが効かないため、プライベートや人付き合い、仕事での問題を生じさせており、いずれも抑うつのほか、付き合い上での孤立や焦り、衝動やコンプレックスといったような症状が見られた。
また研究者は女性の方がよりスマホ依存症になりやすいことを発見している。
スマホの過度の使用が原因で抑うつの症状が生じやすくなるのは、スマホは非常に簡単にスピーディに人々を満足させる一方で、注意力の持続時間を短縮してしまい、ますます飽きっぽくなりやすくなるためだとしている。
ではスマホ依存かどうか、どのように判断すればいいのだろうか?研究者は以下の項目で一つでも該当したら、専門的な助けが必要だとしている。
1.スマホを問題から逃避するため、または無力感、罪悪感、焦りや抑うつを緩和するための手段としている。
2.仮想世界での出来事により関心を傾けており、現実の世界での出来事をおざなりにしている。
3.スマホのアラームが鳴らなくても、しばしばスマホをチェックしてしまう。
4.スマホがそばにないと、気が気でなく落ち着かない。
(編集TG)
「人民網日本語版」2018年4月8日
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