注意深い人なら気づいているはずだが、中国の大気品質は近年日増しに好転しており、PM2.5の濃度が低下を続けている。しかしオゾン汚染という新たな名詞が度々取り上げられるようになった。「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」(電子版)の最新号が発表した中国と米国の科学者の研究結果によると、PM2.5の濃度の低下により煙霧質のHO2ラジカルに対する不均一吸収が減少したことで、地表のオゾン汚染が増大したことが分かった。科技日報が伝えた。
地表のオゾンは窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOCs)の直射日光による光化学反応で生じる。主要な大気汚染物質としてのオゾンは、人の健康と陸地の生態系を損ねる。中国の夏季の都市部では、オゾンが最大の大気汚染物質になりやすい。
南京信息工程大学はハーバード大学大気品質・気候共同実験室と、過去5年間の中国の夏の地表オゾンの1日最大平均8時間の濃度変化を研究・分析した。それによると、中国東部の主要大都市圏でPM2.5濃度が大幅に低下した一方、オゾン濃度が急速に上昇したことが分かったが、その原因については不明だった。中国が2013年より「大気汚染対策行動計画」を実施して以来、推算によると、2013−17年に中国の人為的なNOx排出量が約20%削減されているはずで、VOCsの排出量には大きな変化がなかった。つまり近年のNOx及びVOCsの排出量の変化は、中国東部地域(特に華北平原地域)でのオゾンの増加を説明するのに不十分ということになる。
科学研究者がさらに分析を進めたところ、華北平原地域の夏季のオゾン増加のより重要な要因は、過去5年間で夏季のPM2.5濃度が約40%低下したことであることが分かった。煙霧質によるHO2ラジカルに対する不均一吸収が減少したことで、オゾンの生成が増大した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年1月4日
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