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武漢の手先が器用な若者がプロのお針子顔負けの「虎頭靴」を手作り

人民網日本語版 2019年01月08日16:13
武漢の手先が器用な若者がプロのお針子顔負けの「虎頭靴」を手作り
虎頭靴を見せる韓恒涛さん(撮影・武一力)。

湖北省の武漢市にある俊安スタジオで7日、靴の型紙を裁ち、表面に刺繍を施し、靴底に刺し子をするというとても精巧で、勇ましいトラが刺繍された虎頭靴を制作しているのは、プロのお針子ではなく、「95後(1995年から1999年生まれ)」の手先が器用な若者・韓恒涛さん(23)だ。中国新聞網が伝えた。

韓恒涛さんは、韓式虎頭靴職人の4代目で、小さい頃から、実家がある陝西省咸陽市で、虎頭靴の縫製を請け負っていた母親と祖母が仕事をする姿を見て育った。12歳から母親を手伝い、生地の裁断を始め、月日が経つにつれて、彼はこの仕事に惹かれていったという。

大学では自動車整備を学んだ韓さんだったが、実家が代々受け継いできた虎頭靴作りという手工芸をあきらめるつもりはなかったという。大学卒業後、彼は武漢で働き始めた。昼間はコミュニティや手工芸トレーニングクラスの授業を担当し、夜になると暇を見つけては虎頭靴を作り続けている。

韓さんは、「虎頭靴は、中国伝統の手作りの子供靴で、20世紀半ば頃までは魔よけの縁起物としてどこでも目にすることができた。だが制作過程が複雑で、虎の頭だけでも、平刺繍・花刺繍・立体刺繍などさまざまなステッチを用いなければならず、1足を完成させるのに、3日から6日はかかる」と紹介した。

虎頭靴のほかにも韓さんは、キリンやブタ、ゾウ、ネコ、ウサギなど動物をモチーフとした子供靴も作っている。さまざまなデザインや形、色の靴には、全て、さまざまな文化的な意味合いが込められているという。完成した虎頭靴は一足約200元(1元は約15.89円)。機械が手作りにとって代わった今では、ハンドメイドの縫製靴を買い求める人は滅多にいない。それでも、韓さんは、民俗文化を伝承するため、虎頭靴の由来や意味を、買いに来た人一人一人に伝えようとしている。

韓さんは、「子供に最初に履かせる靴は、猪頭靴がベストだ。ブタ(中国語では猪)は幸せを象徴する動物であり、ブタの耳に刺繍した蜘蛛は、『喜びが天から降ってくる』という意味が込められている。また、象頭靴は、『吉祥如意(縁起が良く万事思い通りになること)』を意味している。靴の色は、赤ならば『魔除け』の効用があり、『紫』は『すくすくと成長する』という意味合いがある」と説明した。

また、韓さんは、「虎頭靴は、子供の成長に寄り添う。靴を縫い上げる一針一針には、心から子供の健やかな成長を願う思いが込められている。この手工芸を何が何でも次世代に引き継ぎ、中国伝統の民俗文化の健全な発展を実現したい」とその抱負を述べた。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年1月8日


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