スターバックス、中国でのアイスクリーム販売に隠されたいらだち

人民網日本語版 2019年04月11日08:16

スターバックスは9日、アイスクリームシリーズの新商品を大々的に売り出した。注目を集める一連の措置により、これまでビジネス風を基調としてきたのが相当「かわいく」なったようだ。分析によると、話題を集めた「猫爪グラス」からアイスクリーム商品まで、実のところ、スタバは若い女性という消費層に方向性を絞り、低迷する業績や激しい競争を突破しようとし、最も潜在力を備えた消費層を正確に探り当てることが非常に重要だと考えているという。「北京商報」が伝えた。

実際、スタバがアイスを含むコラボメニューを打ち出すのは今回が初めてではない。匿名の飲食業界関係者は、「スタバがアイスシリーズ商品を打ち出したことは年初にリザーブロースタリー店舗を開設したことと論理的に似ており、商品の差別化に力を入れているということだ。今年2月、スタバは上海市に中国初のリザーブロースタリー店舗を開設し、これまでずっとフードの位置づけがコーヒーを上回ることのなかったスタバがフードの比重を高めた。こうしたやり方は多くの業界関係者にスタバのライバルブランドとの差別化をはかるための戦略とみられており、また中国市場をもう一度活性化したいとするスタバのいらだちを示すものだ」と話す。

スタバのいらだちは主に決算データからきている。2019年度第1四半期の決算によると、世界純収入は66億3千万ドル(約7367億3千万円)に上り、前年同期比9.2%増加した。このうち世界と米国での店舗売上高は同4%増加したが、中国での店舗売上高は同1%増加にとどまった。18年第3四半期には「9年ぶり最低」とされる決算となり、世界店舗売上高は同1%の増加、中国店舗売上高は同2%の減少で、中国・アジア太平洋地域の営業利益率は7.6〜19%低下した。

コーヒー産業は激しい競争が繰り広げられており、各ブランドはルート、シーン、モデルなどをめぐって激しく戦い、このことがスタバにも変化を強いるプレッシャーを少なからず与えている。新進気鋭のインターネットを活用したコーヒーチェーン「ラッキンコーヒー」(瑞幸珈琲)はスタバと何度も矛を交え、低価格、短時間で家まで配達というモデルでコストを惜しまずに拡大路線を突っ走った。また喜茶、マクドナルド、ケンタッキーなどのブランドも競争の中でパイの分け前にあずかった。ファミリーマート、ローソン、セブンイレブンなどコンビニエンスストアのカフェ事業も一定の市場を獲得した。

上海■(口へんに非)越投資管理有限公司の王振東会長は、「猫爪グラスやアイス新商品、スタバの天猫(Tmall)店の全体的な色調やデザインなどから、スタバが女性消費者と若い消費者の好みをますます重視するようになったことがわかる。データによると、中国ではカフェ消費で女性の割合が70%を超え、40歳以下の割合も80%を超える。これはスタバが今年に入ってから猫爪グラス、テディベアを相次いで打ち出し、今またアイスクリーム新商品を打ち出したことの根拠となるデータであり、また目下、中国のネットで多くの飲料ブランドが人気を集める原因でもある。こうしたブランドは早くから若い女性層をターゲットと位置づけ、この層が好みそうな商品、パッケージ、店舗デザインを打ち出してきた」と指摘する。

また王氏は、「スタバはインテリアの色調でも製品のイメージや位置づけでもこれまでは中年の男性やビジネス風を基調にし、だからこそ長らく市場で一定の位置を保ってきた。だが今のスタバは市場のニーズや変化に対応できていない。そこでスタバはカワイイ要素を取り入れ、より多様でソフトな味わい、より明るく軽やかな色調で若い女性消費者を呼び込もうとしている。スタバは今後も若い女性消費者を方向性として努力を続けていくだろう」と予想する。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年4月11日

  

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