有名企業が次々と中国から撤退しているというニュースがクローズアップされている。日本の時計メーカーのシチズンの華南拠点が解散されたことやパナソニックやマイクロソフトなどが他国への工場移設を計画しているといったニュースに、「世界の工場」の行方に注目が集まっている。中国経済網が伝えた。
自動車は、工業の総合水準を体現するものであり、国家の支柱産業としての使命と責任を担っている。中国の自動車市場には、世界の自動車メーカーのほとんどが進出し、販売台数で次々と新紀録を打ち立てている。自動車業界でも外資撤退という状況は起こっているのだろうか。
▽新たな「コストの窪池」を探して
かつての「世界の工場」、「製造の要地」はなぜ今、外資企業の撤退問題に直面しているのだろうか。中国に合弁会社を設立したり工場を建設したりしている国際自動車メーカー大手のうち、シチズンのように突然撤退を表明するメーカーが現れることはないのか。
国家情報センター経済予測部戦略計画研究室の高輝清室長は、現在起こっている外資撤退の現象はコストを主な原因としていると分析する。「国内の製造業のコストの上昇が速すぎ、多くの企業のコストは中等先進国並に近付いている」。周辺の発展途上国と比べると、中国のコストは数倍に達する。こうした状況で企業がコストのより低い場所を探すのは自然である。
ある分析によると、中国はすでに工業化の中期に入っており、土地や労働力の価格が上がり、環境負荷も高まっており、産業移転は必然の流れと言える。国内の産業移転は現在、二つの面で進んでいる。一つは西部地域への移転であり、もう一つは東南アジア諸国への移転である。これと同時に、中国を投資の第一候補としていた外国資本も東南アジアに目を向けている。ナイキの靴の生産は2000年、中国が世界最大の40%を占めていた。現在はベトナムがナイキの靴の最大の生産国となっている。