中国農業科学院作物科学研究所からこのほど、朗報が寄せられた。それは同研究所の黎志康研究員が担当する「アフリカ及びアジアの資源不足地域向けのグリーン・スーパー稲の栽培」プロジェクトが、北京市で締めくくられたという知らせだった。経済日報が伝えた。
同プロジェクトは世界最大の植物ゲノムリシークエンスを行い、干ばつや塩分、水害に強く、養分の吸収力が高い稲の新品種を育成した。「一帯一路」(the Belt and Road)関連の18の国と地域における稲の生産能力を高め、大きな社会・経済効果を生んだ。
同プロジェクトは10年を計画し、3期に分けて実施された。主な対象国にはアジア9ヶ国(フィリピン、ベトナム、ラオス、カンボジア、インドネシア、スリランカ、バングラデシュ、インド、パキスタン)、アフリカ9ヶ国(モザンビーク、タンザニア、ルワンダ、エチオピア、ウガンダ、リベリア、ナイジェリア、マリ、セネガル)、及び中国5省・自治区(寧夏回族自治区、貴州省、四川省、雲南省、広西チワン族自治区)が含まれる。
黎氏によると、プロジェクトの10年間の長期目標は、アジア、アフリカのサハラ砂漠周辺、中国5省・自治区におけるグリーン・スーパー稲新品種の栽培をスピーディに展開し普及させること。これらの地域の小規模農家の稲生産能力を平均で20%以上高め、対象国・地域の3000万人以上の農家の所得を大幅に拡大する。
グリーン・スーパー稲プロジェクトは現在すでにアフリカ・アジア18ヶ国で試験的な栽培、審査、普及を行っている。高生産量かつ高品質で各種条件に強い品種は78種に達し、普及面積は累計612万ヘクタールに達している。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年5月15日