高さ14メートル、重さ1500キロ、平均寿命30年の電信柱は今後、どのような力を発揮していくことになるのだろうか。韓国・中央日報(電子版)の14日の記事によると、韓国各地の900万本の電信柱は未来の5G時代においてスマートな進化を続け、オールマイティなスマートスポットになるとしている。環球時報が伝えた。
電信柱はもともと、単なるコンクリートの柱だったが、IoTセンサー技術の発展により新時代を迎えようとしている。センサーはいずれも小型コンピューターに相当している。韓国電力公社は、「元は送電用だった電力網を情報伝達に用い、エネルギーインターネットに変える。電信柱をスマート輸送プラットフォームにする」と表明した。2015年より韓国各地で設置が始まったスマートセンサーは、リアルタイムで電力データを収集する。これらのデータを基礎とし、電力網は猛暑日など特定の時期における各地の電力消費量を正確に予測し、省エネ情報のショートメールを段階別に利用者に送ることができる。一人暮らしの高齢者の家庭の電力消費量が急減すれば、電力網は社会の福利職員に情報を報告し、直ちに高齢者の安否を確認することができる。
電信柱はエネルギー貯蔵装置になる可能性もある。韓国電力公社は電信柱に充電設備を設置し、電気自動車に充電サービスを提供するプランを検討中だ。そうすることで既存の電信柱を活用でき、新たに土地を取得する必要がない。設置費用も100−200万ウォン(1ウォンは約0.09円)ほどだ。
中国の通信専門家の項立剛氏は取材に対して、「スマート電信柱は未来の発展の非常に重要な方向だ。中国の多くの企業がすでに関連プロジェクトに取り組んでいるが、これらの機能を1本の電信柱に集約できるとは限らない。一部の機能に限られるだろう」と述べ、次の見解を示した。
項立剛氏によると、未来のスマート電信柱はまず、スマート街灯になり省エネを実現する。電信柱にはさらに多くの監視カメラを設置することが可能で、治安向上に大きな役割を果たすとみられている。またスマート電信柱は環境モニタリングが可能だ。北京市はすでに多くの環境検査測定データ収集スポットを設置しているが、市内の地域によって環境がある程度異なるため、これらのスポットで収集したデータは基本的な参考データにしかならない。すべての道路のすべての電信柱が将来的に環境モニタリングの能力を備えた場合、これらのデータを収集してビッグデータ解析を行うことで、より詳細で的が絞られた局地的な環境ガバナンスを実現できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年5月15日