アルテミシニンなど天然抽出薬は出処が特殊であるため、これまで化学薬品のように効率的・大規模・連続的に生産することが困難だった。中国科学院プロセス工学研究所(以下「同研究所」)が発表した情報によると、同研究所が開発したアルテミシニンのグリーンで大規模な生産技術がすでに応用に成功しており、関連産業の発展を妨げる重要な技術問題を解消した。新華社が伝えた。
アルテミシニンはマラリアを効果的に治療する天然成分となる。中国人科学者の屠呦呦氏が率いるチームがこれを植物から抽出することに成功し、関連薬品の開発が展開された。アルテミシニンを基礎とするアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)が2005年に、世界保健機関からマラリア治療の最も理想的な方法として推薦された。
同研究所の王慧研究員によると、科学者は従来の抽出及びクロマトグラフィーの代わりに抽出過程の強化や低温結晶純化といった新しい方法を採用し、大規模かつ精密な処理を実現した。彼らはさらに従来の大口径蒸発釜の代わりに毛細血管のようなフィルター蒸発器を導入し、溶剤の回収率を効果的に高め、エネルギー消費を減らした。そのためよりグリーンでエコロジーになった。
同研究所の張鎖江所長によると、アルテミシニンの生産技術の大半は間欠性を持つため、今回の技術はその大規模・連続的生産を妨げる重要技術及びシステムインテグレーションの問題を解消した。アルテミシニンの生産技術のグリーンなアップグレードの新たなルートを切り開き、かつその他の天然産物の抽出・分離技術に効果的な参考材料を提供している。
同技術はすでに応用に転化されている。第1陣の応用企業である河南省禹州市天源生物科技有限公司の江紅格総経理は、「生産・運用の結果、技術全体の運用が安定していることが証明された。溶剤の回収率は99.9%に達し、エネルギー消費は従来の技術より43%減少する。年産は60トンに達する」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年5月20日