中国科学院昆明動物研究所への2日の取材によると、同研究所はアルツハイマー病の治療の研究で重要な進展を実現した。関連成果は国際的な学術誌「オートファジー」に掲載された。科技日報が伝えた。
論文の連絡著者、同研究所の姚永剛研究員によると、アルツハイマー病の発症メカニズムは非常に複雑で、さまざまな要素の影響を受けるが、血中脂質の異常は重要なリスク要因の一つだ。研究によると、アミロイドβタンパク質の過度な分泌及び除去の不足がカギとなる誘因だ。このタンパク質の除去の促進は、アルツハイマー病の予防・治療の重要な方法になる可能性がある。また大量の研究によると、自食機能障害はその発症メカニズムの中で重要な役割を果たしている。そのため自食の誘導がアルツハイマー病を治療する新たな視角になる。
研究チームは分子、細胞、マウスなど各レベルの体系的な研究を展開した。細胞レベルでは、アメリカ食品医薬品局(FDA)が高脂血症薬として認めているGemfibrozilとpirinixic acidが細胞の自食を活性化させることで、アミロイドβタンパク質を除去することを発見した。マウスレベルでは、2種類の薬がアストロサイトとミクログリア細胞がアミロイドβタンパク質を飲み込み分解する機能を大幅に強化することで、病態生理学的特徴を改善することができる。最終的にアルツハイマー病によって損傷を受けたマウスの神経構造と機能を顕著に改善し、その学習・記憶能力を顕著に向上させた。
研究は新たな標的を見つけただけでなく、高脂血症薬をアルツハイマー病の治療に用いる臨床実験に根拠を提供した。また2種類の薬がアルツハイマー病に対して重要な保護機能を持つことを初めて明らかにすると同時に、ミクログリア細胞とアストロ細胞の治療における中心的役割をさらに証明した。アルツハイマー病の予防と治療の新たなアプローチをもたらした。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年4月3日