浙江大学と華東理工大学の協力チームが開発した新型生物ゴムのり材料は、大動脈損傷及び心臓を貫通するような負傷による大出血を数秒内で完全に止血することを可能にしている。その関連成果は北京時間15日、「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。新華社が伝えた。
研究チームが発表した動画を見ると、研究者は直径6ミリの鉄パイプで貫かれた豚の心臓の傷にこの生物ゴムのりを使い、さらに紫外線照射を浴びせると、わずか数秒で、溢れ出ていた血が止まった。
論文の共同筆頭著者である浙江大学医学院の欧陽宏偉教授は、「豚の心臓の大小及び構造は、人の心臓に最も近い。脈打つ心臓の大出血は現在、最も止血が困難となっている。生物ゴムのりにより傷口を縫うことなく閉合させることができる。豚の術後2週間の回復期間の検査で、まったく異常が見られなかった」と説明した。
情報によると、これは一種のバイオミメティック材料で、人体組織材料をモデルとし、その主要成分は光に敏感となっている。紫外線を浴びると、この材料は直ちに二層網状構造を形成し、流動する液体から個体に変化し、湿った器官の表面に力強く接着する。
またこの新型生物ゴムのりには一定の材料強度があり血液の圧力と心臓の躍動による収縮に抵抗できるため、高い修繕性能を示している。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年5月16日