中国が自由貿易試験区を6カ所新設へ 開放の新たなロードマップ

人民網日本語版 2019年08月27日16:32

中国国務院はこのほど、「中国(山東)、(江蘇)、(広西チワン族自治区)、(河北)、(雲南)、(黒竜江)自由貿易試験区全体案」を発表した。新華社が伝えた。

「全体案」によると、山東、江蘇、広西、河北、雲南、黒竜江の6省・自治区に自由貿易試験区を新設するのは、党中央、国務院の重大な意思決定で、新時代において改革開放を推進するための戦略的措置としている。「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を導きとし、中国共産党第19回全国代表大会、中国共産党第19期中央委員会第二回、第三回全体会議の精神を全面的に徹底し、新発展の理念、質の高い発展を堅持し、国家重大戦略に主体的に関与し、それに溶け込み、対外開放の全体的な戦略構造に一層寄与し、自由貿易試験区を、新時代の改革開放を牽引する存在を目指していく。

中国初の自由貿易試験区は2013年9月に上海に設置され、その後約6年間、数度にわたる拡張を経て、12カ所の自由貿易区が東西南北の改革開放・革新の情勢をカバーするようになっており、投資・貿易の自由化、円滑化、金融の実体経済への寄与、政府の職能の転換などの分野に取り組み、200項目以上の制度、革新の成果が応用、推進され、改革開放を牽引するようになっている。

さらに広い範囲で改革・革新を実践し、それを模索し、さらに深い改革を通して質の高い発展の内在的原動力を刺激し、さらに高い水準の開放を通して、中国が開放型世界経済の建設を支持するという固い決意を示すために、党中央、国務院は、6省・自治区に新たな自由貿易試験区を設立するという重大な決断を下した。

今回新設される由貿易試験区は、制度の革新を中核とし、それぞれに重きを置くポイントがある差別化された改革のテスト事業を打ち出している。例えば、山東自由貿易区は、貿易の新業態、新スタイルの育成、海洋特色産業の発展加速、中日韓三国の地方経済協力模索などの目標を掲げている。広西チワン族自治区は、国際ルートを開拓し、対東南アジア諸国連合(アセアン)協力先行テスト事業モデルエリア、中国西部の陸海輸送のポータル港の構築などを目標に掲げている。河北省は、国際大口商品貿易の展開、バイオ医薬と生命健康産業の開放的な発展をサポートすることなどを目標に掲げている。

中国商務部(省)の王受文副部長兼国際貿易交渉副代表は、「今回新設される自由貿易区6カ所は、さらなる開放拡大を強調している。例えば、黒竜江省の自由貿易区は、ロシアとの協力をさらに拡大させ、人員の出入国の円滑化、企業進出を積極的に促進し、質の高い発展牽引を強調している。江蘇省の自由貿易区は、集積回路、人工知能、バイオ医薬、ナノ技術の応用などの産業イノベーションの発展を促進するほか、『一帯一路(the Belt and Road)』建設、北京市・天津市・河北省の協同発展、東北振興、長江デルタエリアの一体化発展、海洋強国などの国家戦略に積極的に寄与することも示されている」と説明した。

全体案はまた、リスク予防・抑制・処置のメカニズムを整備し、自由貿易区に改革の自主権を十分に与えることを打ち出しているほか、テスト事業の任務に対する評価を強化し、さらに多くの応用、推進できる改革の経験を形成し、モデルエリアとして牽引役の役割を十分に果たせるようにしなければならないとしている。

(編集KN)

「人民網日本語版」2019年8月27日   

  

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