世界最大の自由貿易区は東アジアバリューチェーンにとって何を意味するか

人民網日本語版 2019年11月14日10:58

このほど東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の閣僚会合がタイ・バンコクで開催され、共同声明も発表され、加盟国15ヶ国がすべての文書の交渉とすべての市場への参入に関する実質的な交渉を終了したと発表された。今後は法律文書の検討作業に進み、2020年の協定調印を目指すという。(文:鍾飛騰・中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院大国関係研究室室長、研究員。新華網に掲載)

中国商務部(省)の王受文副部長(国際貿易交渉副代表)は11月6日、RCEPの交渉状況を説明する中で、「これは全面的、近代的、高い品質で互恵の自由貿易協定になり、地域内で統一されたルール体系を迅速に構築する上でプラスになる」と強調した。

▽各方面のRCEPへの評価が高い

インドは国内政治の駆け引きと経済成長の鈍化を受けて、RCEP交渉から離脱したが、各方面のRCEPに対する評価は引き続き高い。

たとえばシンガポールのリー・シェンロン首相は、「RCEPは多国間主義が勢いを失い、グローバル経済の成長が鈍化する背景の中で構築された。RCEPの長期的目標は貿易障壁を打ち破り、投資を促進することであり、新興エコノミーが世界の他の地域に追いつくよう支援することだ」と述べた。

日本紙「読売新聞」の6日付社説で、中国も日本もインド抜きのRCEP交渉の協定調印を推進するとしており、協定が自由貿易を力強く推進するとの見方を示している。

ここからわかるのは、各方面がRCEPを評価する際、真っ先に考えることは現在の世界経済の低迷と保護貿易主義の台頭という背景だ。

またわかるのは、アジア太平洋地域はこれまで長年にわたって構築してきた良好な発展環境を失いたくないということで、そのため地域内協力を通じて保護貿易主義に対抗しようとしている。たとえばインドネシアはオーストラリアとの間で自由貿易協定(FTA)を締結し、中国はニュージーランドとのFTAを格上げする可能性がある。

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