ダブル11に何か買わないと「損」? (2)

人民網日本語版 2019年11月14日11:22

Ditterが提起した社会構築理論では、衝動的消費は消費者のセルフイメージ(self-image)を反映している。

「大人の世界」は複雑で、「人生はなぜこんなにたいへんなのだろう」と感じる時は、自己不一致(self-discrepancy)、つまり現実的な自己(actual self)と理想的な自己(ideal self)の間に差があり、理想の状態に達していないからであるということが多い。自己不一致の状態に陥ると、人は自尊心が低下したり、気落ちしたり、憂鬱になったり、イライラしたり、恥ずかしい気持ちになったりと、ネガティブな感情を抱く。そして、そのような時には、何かで自分の心を補充し、自己一致(self-consistency)に達しようとする。その補充の方法は、運動であったり、暴飲暴食であったり、人によっては衝動買いだったりする。無制限に買い物をすることによって、そのような人は自己概念が満たされ、自分の社会的地位も確保できたと考え、気持ちが落ち着き、一時的に自己一致の状態を保つことができる。

ただ残念ながら、現実の状況からすると、衝動買いというのは決して良い「補充」の方法ではない。なぜなら、ほとんどの人は衝動買いをした後に、罪悪感のようなネガティブな気持ちになるからだ。そうなると、自己一致性がまた崩れ、悪循環に陥ってしまう。

快感を得ることができるものなら、人は何でも病みつきになってしまうもので、衝動買いも例外ではない。しかし、それらの商品を持っているから、または使っているから「病みつき」になるというわけではなく、ひたすら買い物をしたいという気持ちを抑えずに解放した時の「快感」が病みつきになっていることを忘れてはいけない。もし、周期的に衝動買いを繰り返し、衝動買いした後は罪悪感に襲われるものの、しばらくすると自分の気持ちを抑えられずにまたやってしまうという状況なら、買い物依存症(compulsive buying)を患っている可能性さえある。買い物依存症は、1980年の「精神障害診断と統計マニュアル・DSM-Ⅲ」に列挙されていたが、1994年のDSM-Ⅳには列挙されていなかった。しかし、ICD-10(国際疾病分類)は、買い物依存症を強迫性障害に分類している。つまり、買い物依存症は「強迫性障害」なのだ。

「ダブル11」に、業者が販売促進キャンペーンや割引を実施し、多くの人が衝動買いをした。しかし、その「一時的な衝動」は、人の心理的バランスが崩れており、自制心に欠けていることを示している。そして、自尊心の低下、うつ病のリスクの上昇などにつながり、長期的に衝動買いをしていると、「買い物依存症」になってしまう可能性もある。(編集KN)

>>>今年で11回目を迎えたダブル11 この11年間でどんな変化?

「人民網日本語版」2019年11月14日

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