例えば、以前武漢市を始め湖北省に滞在し、現在外国で旅行や仕事をしている中国国民の現地での滞在先や安全な帰国を適切に手配するにはどうすればよいか。これには中国の在外公館が観光、通信、運輸、税関など当局と一致協力し、情報を全面的に把握すると同時に、滞在先の各国政府と進んで緊密に調整し、双方ともに満足のいくしかるべき手配をする必要がある。また例えば、感染状況の比較的深刻な地区を始め中国で旅行、仕事、留学、生活する外国人について、速やかにその動きを把握し、感染症対策を支援すると同時に、現地公館または出身国政府と緊密な連絡と調整を続け、その生活について適切に対処し、手配するにはどうすればよいか。すでに中国の外交当局はチャーター機を各国に派遣して現地に滞在する湖北省出身の観光客を武漢市に戻すことに全力を挙げて、国としての責任を示している。
第3に、国際組織と協力することで危機をチャンスに変える。今回の感染拡大は短期的にはいくつかの国々に困難をもたらすが、長期的に見れば、今回の感染拡大において中国の積み重ねた経験と方法は、国際社会が現在そして将来の公衆衛生上の危機に対処するための貢献となる。今回の感染症は新型コロナウイルスによって引き起こされた。中国がこうしたウイルスの認識と研究において得た知識と技術、新型コロナウイルスの感染による肺炎の治療において積み重ねた経験と方法は、我々が新型コロナウイルス感染対策の評価基準と処置手順の策定においてさらに大きな発言力及び一次資料を得るうえでプラスであり、客観的に言ってこれは、世界の公衆衛生対策に我々が貢献するうえでの助けとなる。このため、今回の感染症対策の過程において、我々はWHOなど国際機関との協力を一層強化する必要がある。一つには、国際組織の技術・業務資源を積極的に勝ち取り、利用して、我々が感染拡大をより良く抑制するための助けとする。また、感染症対策の過程において得た経験を国際組織を通じて、感染の波及した国・地域を始め各国と速やかに共有する。衛生体制に問題のある国々に対しては、我々はさらに多く、さらに直接的な支援をすることもできる。
すでに中国外交は突発的な事態や危機によって繰り返し試されてきた。SARSなど過去の感染症と比較すると、今回の突発的な公衆衛生上の事態には新たな特徴が多くある。中国の実力と地位、その置かれた国際環境もすでに大きく変化している。これは中国の緊急事態への外交対応の理念、メカニズム、能力にとって新たな試練だ。伝統的外交を繰り広げる以外に、国際組織を積極的に利用し、パブリック・ディプロマシーと衛生外交の役割を発揮する必要がある。今回の感染は国境を越えて拡大する、非伝統的な安全保障上の脅威であり、WHOなど国際機関との協力を緊急事態への外交対応の基本ルートとすべきだ。
中国の緊急事態への外交対応は必ずや試練に耐え、中国の国際協力能力も一層高まると我々は信じる。今回の突発的な公衆衛生上の事態に積極的かつ効果的に対処し、我々のガバナンスシステムを深く見直し、改善し続けることで、我々のガバナンス能力をさらに高めると同時に、国際衛生協力・ガバナンスに有益な参考と経験をさらに多く提供することもできる。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月3日