「現在は恐れではなく事実、デマではなく科学、辱めではなく団結が必要な時だ」。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は先日、世界にこう力強く呼びかけた。WHOの権威ある専門的提言を尊重し、WHOの提言と一致する措置を講じ、正常な人的往来と各分野の実務協力に影響が生じないようにすることが、新型肺炎に対する各国の基本的姿勢であるべきなのは明らかだ。(人民日報「鐘声」国際論評)
新型肺炎の深刻さの程度を客観的で公正かつ冷静で理性的に評価し、今回の新型肺炎は致死率が低いうえ、治癒した人の数が死者数をすでに上回り始めているという現実を人々に客観的に知らせて、パニックのもたらす二次的試練を防止することができるか否かが、知恵と理性と人間性を試す指標となっている。もし全ての国々がこうした指標に合格できたなら、現在の困難の克服はずっと容易になるだろうと推察される。だが、特定の国は「不必要な措置を講じて国際渡航・貿易に干渉する理由はない」とのWHOの提言に背き、過剰な反応をし、行き過ぎた対策を講じて、正常な国際渡航に障害を設けている。こうした「誇張的」政策の引き起こすパニック反応が、すでに一部地域で悪意、悪口、悪行の横行を助長していることに警戒すべきだ。例えば西側の一部メディアが新型肺炎の問題を自らの目的に利用し、国際保健規則(IHR)の原則を無視して、ウイルスを「メイド・イン・チャイナ」「イエロー・ウォーニング」と口汚く呼んでいるのは中国人さらにはアジア人への露骨なレッテル貼りだし、西側の一部の国々ではアジア系を狙った暴力事件が発生してすらいる。人種差別を煽るこうした言動は、全世界が団結・協力して新型肺炎と戦ううえで助けにならぬだけなく、客観的にパニックを作り出し、拡散させる。
もちろん、国際社会の世論の主流はやはり正義と正しい道理の側についている。一分一秒を争い、人々の志で城を成して新型肺炎を迎え撃つ中国国民の行動と成果は世界を深く感動させ、国際的に生じた過激ないかなる対中差別的言動も正義のパワーの断固たる糾弾に遭っている。各国の多くの識者が立ち上がり、差別的言動を「愚かだ」「容認できない」と正面切って非難し、SNS上では「#私はウイルスじゃない」(#JeNeSuisPasUnVirus)というハッシュタグが現れ、「新型肺炎が排外ムードを生じさせる口実となってはならない。危機が人間性を消し去ることがあてはならない」との声が上がっている。ドイツ、カナダ、フィリピンなど各国の政界要人も差別を阻止し、中国敵視を止めるべきだと呼びかけている。ノーベル化学賞を受賞したウイルス学者のマイケル・レヴィット氏は「西側メディアが疾病を中国国外で大流行させない方法を自己中心的に報道する一方で、励まし、声援を送ったことがないことに、その狭隘さと哀れさを深く感じる」と鋭く指摘した。
人類とウイルスの感染拡大との戦いの歴史を振り返ると、特に経済のグローバル化が深く進行した今日において、新型インフルエンザ(A/H1N1)、中東呼吸器症候群(MERS)、エボラ出血熱、ジカ熱などの流行から得た経験と教訓は、公衆衛生上の事態による影響は国境を遥かに越え、「我々は皆その渦中にあるのであり、団結・一致して阻止するしかない」ということを世界の人々に常に告げている。国連のグテーレス事務総長が指摘したように、新型肺炎の厳しい試練を前に、国際社会は強い団結意識を持つべきなのだ。
新型肺炎との戦いにおいて、中国は世界に団結と協力の精神を示し、すでに国際社会の広範な尊重と支持を勝ち取っている。中国は迅速に新型肺炎の発生を確認し、ウイルスを分離し、ゲノムシークエンシングを行い、これを世界と共有し、IHRの要求を遥かに上回る感染拡大防止・抑制措置を多く講じてきた。これらの強力な措置は「感染症流行対策の新たな基準を設けた」と称賛されている。
感染症には情がないが、人には情がある。理性によってパニックに打ち勝ち、同情・理解・支持によって過激・狭隘・焦慮に打ち勝ち、団結・協力して国際的な公衆衛生上の試練に対処する大局を守ろう。これこそが新型肺炎との戦いにおける必勝の道だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月7日