新型コロナウイルス、煙霧質で感染するかは現在不明

人民網日本語版 2020年02月10日13:59

 中国疾病予防管理センターの馮録召研究員は9日、国務院共同予防・管理メカニズム記者会見において、「新型コロナウイルスが煙霧質により感染するかについては現在、さらなる確認が必要だ。一般的には大気中にウイルスは存在しないが、人々には毎日窓を開け換気するよう提案する」と述べた。環球時報が伝えた。

 馮氏は「いわゆる煙霧質による感染は、飛沫が空気中に漂う間に水分を失い、残されたタンパク質と病原体が飛沫核を形成し、より遠くに飛んでいくことだ。新型コロナウイルスが煙霧質により感染することを示す証拠は今の所ない」と説明した。

 武漢大学医学部ウイルス研究所の楊占秋教授は9日、「これまで知られている『新型コロナウイルスは呼吸器による飛沫と接触により感染する』ということと比べると、煙霧質による感染は専門的な表現であり、新しい感染ルートではない。分かりやすく言うと、空気中の直径100ミクロン以下で、気体の中で安定的に分散し漂う液体・個体の微粒子が煙霧質と呼ばれる。いわゆる煙霧質による感染とは、ウイルスがこれらの粒子に付着し、呼吸を通じ人の肺に入り感染を引き起こすことだ。これは本質的には呼吸器を通じた感染ルートであり、珍しくはない」と指摘した。

 馮氏はさらに、「新型コロナウイルスの現在最も主要な感染ルートは、近距離の飛沫感染と接触感染だ。近距離の飛沫感染、会話、せき、くしゃみによる飛沫は通常、1−2メートルしか広がらず、そして空気中を長く漂うこともない」と続けた。

 また新型コロナウイルスが煙霧質により拡散するとしても、空気中で生存する時間は限定的だ。楊氏は「空気中にさらされるウイルスは媒介役がなければ、24−48時間内に活性を失い、感染を引き起こすことができなくなる。現在の環境における気温や湿度も、ウイルスの生存時間に影響を及ぼす。例えば気温が上がるほどその空気中における生存時間が短くなる」と話した。

 複数の専門家は、現在の対策はすでに煙霧質による感染の可能性を考慮していると述べた。一般の人の予防策は飛沫感染対策と同じで、マスクを正確に着用すれば良いという。

 「空気中に新型コロナウイルスが含まれるため、換気するべきではない」と心配するネットユーザーがいることについて、馮氏は「正常な日常的換気環境において、空気中には通常新型コロナウイルスが含まれない。毎日少なくとも2回は換気をするべきだ。これは感染リスクを下げる効果的な措置だ」と指摘した。

 楊氏はまた「感染しやすい人や患者、疑似患者が密集する場所や病院をなるべく回避するべきだ。これらの場所ではウイルスの量が多いからだ」と注意を促した。(編集YF)

 「人民網日本語版」2020年2月10日

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