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武漢で新型コロナウイルスと闘う人々、その最前線の記録

人民網日本語版 2020年02月07日13:58
武漢で新型コロナウイルスと闘う人々、その最前線の記録
2020年1月31日、旧暦1月7日、漢口のあるスーパーで、新型コロナウイルス感染の拡大を予防するため、来店した買い物客の体温検査を行うスタッフ。この日スーパーには、野菜や果物などを買いに多くの市民が来店していた。

旧暦12月29日にあたる1月23日午前2時、武漢市新型コロナウイルス肺炎予防・抑制指揮部は第1号通告を発表し、「1月23日10時から、全市の路線バス、地下鉄、フェリー、長距離バスの運行を一時的に停止する。特別な理由がない限り、市民は武漢を離れてはならない。空港や鉄道駅から武漢を離れるルートを一時閉鎖する」ことを通知した。人民日報が各社の報道をまとめて伝えた。

これまで「九省をつなぐ交通の要衝」であった武漢。しかし現在、その普段の賑やかさは失われている。武漢にとどまっている900万人以上の人々の日常生活には、いつもと変わった点もあれば、変わらない点もある。

華中科技大学同済病院中医薬科のある新任看護師は、通告が出された日の夜、「看護師長、私は旧暦1月5日に挙げるはずだった結婚式を取りやめにし、春節(旧正月、今年は1月25日)期間は武漢にとどまれるので、私を発熱外来に回してほしい」と所属部署のグループチャットで志願した。

ザーッ、ザーッ。1月23日、夜明け前の珞桂路はひっそりと静まり返っていたが、オレンジ色の作業服を着た痩せた背の低い作業員は箒を掃く手に力を込めていた。「感染が起こった今は、なおさら清掃作業をやめるわけにはいかない」と語る清掃作業員の李蘭萍さんは、早朝4時には起床し、地面を掃き、ゴミ箱を片づけ、朝8時まで忙しく働く。李さんは、「すっかりきれいに掃除してこそ、みんなが病気にならずにすむからね!」と話す。

旧暦の大晦日にあたる1月24日も、当直の交通警察官である劉五橋さんは持ち場についていた。劉さんが勤務する武昌駅は武漢の「南の玄関口」であり、華中地区最大の旅客集散地の一つでもある。がらんとした駅と道路は、劉さんにとって見慣れない光景だ。「でもこのような時に人の移動を減らすことは、武漢にとって最大の貢献になる。人がいてもいなくても、私たちはしっかり持ち場で職務を果たす」と劉さんは言う。劉さんはさらに、「交通警察の前を通過する通行人に対して、私も同僚もその体温を測定し、武漢を守る責任をしっかりと果たしていきたい」と語った。

1月24日午前10時、路上はひっそりとしていたが、武昌区張之洞路のオフライン生鮮スーパー・盒馬鮮生には、多くの市民が買い物に来ていた。商品棚の前で野菜や果物を選んでいた近所に住む邱軍正さんは、「今日は家で年夜飯(旧暦大晦日の夜に家族と一緒に食べる御馳走)を食べるので、野菜を買いに来た。価格は普段とそれほど変わらず、種類も豊富で、量も十分にある」と話す。

盒馬鮮生の責任者は、「今は武漢への供給が最優先。野菜や肉、卵、牛乳などの商品供給の安定を全力で図っている。どの店舗も顧客に無料で使い捨てマスクを配り、手指消毒液を置いている」とした。この責任者の説明では、各方面で供給を保証し、宣伝・案内をしたおかげで、商品供給は正常な状態を取り戻しているという。

1月24日、1台の高速鉄道がほかの人の流れとは「逆行」して武漢に到着した。この高速鉄道に乗っていた「逆行者」は上海から武漢に駆け付けた医師チームの第1陣。最初に出発した上海医療チームには、医療スタッフ135人が含まれていた。現時点までに、29省(自治区、直轄市)と軍隊からすでに68の医療チーム、8310人以上の医療従事者が湖北省に到着した。各方面から呼吸科や感染科、重症医学科の専門家と優秀な看護チームが派遣されている。

1月26日午前0時から、許可を受けた供給保証用輸送車、無償交通車、公用車を除き、武漢市の中心部で自動車の通行禁止管理が実施された。

市民の外出が不便になるといった問題を解決するため、武漢全市は6千台のタクシーを緊急で集り、市中心部のコミュニティごとに3-5台を配置し、コミュニティの住民委員会が取りまとめて配車管理を行う形で、1月25日正午から、管轄区域内住民が外出する際に無償でサービスを提供し始めた。これらの車両で主に医療従事者の通勤サービスや生活サービスを提供し、発熱患者の病院受診時の送迎を行うと同時に、生活に不便が生じている住民の自宅に食事や野菜、薬品を配達するといったサービスも提供している。

新型コロナウイルス感染による肺炎の状況に対応するうえで、コミュニティの感染予防・抑制は最初の防御ラインとなる。江漢区の多聞コミュニティは古い団地を主としたコミュニティで、流動人口が多い。1月28日から、同コミュニティ幹部の田霖さんはコミュニティの名簿をもとに一軒ずつ電話をかけている。電話が終わると、さらに家を回って調査をし、住民が発熱した後に病院で受診したか、どこで受診したかや、病院の検査報告などについて聞き、定時報告を行っている。緊急の事態に対応するために、コミュニティ幹部は24時間態勢で仕事に当たっており、いつでも電話での応対を行い、緊急の状況に対応している。

1月29日、子供と一緒に江岸区吉慶コミュニティに住む羅娟さんは発熱して隔離された後、子供の羅小小ちゃんが家に1人取り残され、面倒を見る人がいなくてどうしたらいいかと気をもんでいた。コミュニティの住民委員会は発熱患者を調べている際にこの状況を知り、すぐに小小ちゃんを重点ケア対象とし、2人のスタッフが交替で食事を届けるよう手配した。子供にとって必要な栄養を考慮し、弁当のほかに牛乳とおやつも届けている。窓を開けて換気をし、食事をテーブルに置くと、スタッフは体温計を取り出して7歳になる小小ちゃんの体温を測定して初めてホッと胸をなでおろすことになる。

ここ数日、漢陽区江欣苑コミュニティ党委員会書記の胡明栄さんは、コミュニティのスタッフとともに毎日発熱患者を調査し、病院で受診させ、一人暮らしの高齢者や感染の疑いがあるとされた人、面倒を見る人のいない子供、体の不自由な人に食事や薬品を届けている。発熱外来や指定病院でさらに検査や治療が必要な住民がいれば、胡さんはその人に代わって診察予約をし、病院への移動をサポートする。

胡さんは、「自分たちのコミュニティと住民のみなさんをしっかりと守りたい。武漢に1287ヶ所あるコミュニティすべてが自分のところをしっかりと守れば、感染との闘いにも必ず勝てるはず」と語った(編集AK)

「人民網日本語版」2月7日

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